言った言わないのクレーム対処


お客さんとの意見の相違や誤解から、小さなミスが大きなクレームになってしまうことがあります。その代表的なものが、「言った、言わない」のクレームです。

 

言った言わない

 

 

お店側では、こちらの意見や事情を伝えたつもりでも、お客さんが理解していなかったということは多々あると思います。

 

クレームで電話をしてこられたときは、特に気が荒立っていたり、頭に血が上っているので、お店からのお話を理解する余裕の無い方もいます。

 

自分が怒ったときを思い出してみると、自分の発したい怒りの感情で頭が一杯で、それ以外のものを受け入れる余裕がないことがあると思います。

 

 

 

クレームを入れるお客さんの心理としては、お店の事情云々の前に、「自分の意見を聞かせること、理解させること」がまず第一の目標です。

 

丁寧なお客さんの場合は、こういったトラブルがあったんですが、どうしてですか?と逆に聞いてくれますので、説明がしやすくお互いに理解できます。

 

でも、怒り心頭のお客さんの場合は、人の意見を聞くつもりはないように思える方がいます。とにかく、自分の意見を聞け!という強い態度です。

 

 

 

単に怒っている方もいますが、今後の交渉でお店側に負けたくないので、主導権を握ろうとすごく気構えている方もいます。

 

お店に言い負かされたら、返品も交換もしてもらえないわけですから、実質、自分の損になります。そんなことにはしたくないという思いから、お店の発言は無視して、強気の物言いをしてこられる方もいるでしょう。

 

 

 

クレーム処理の第一段階では、お客さんの話を一通り聞きます。このとき、できれば録音をさせてもらいましょう。

 

「お客様のご意見はお店の大切な資産として改善に役立たせてもらいます」といったようにお伝えすると、お客さんはそれほど悪い気はしないと思います。

 

「私だけでは対処できない問題もございますので、後ほど店長と確認の上、ご対応させていただくためです」という応対の方法もあります。

 

逆に、「裁判になったら・・・」とか「言った言わないのクレームがありますので・・・」というように、あからさまに言ってしまうと拒否されるのは当然でしょう。そういった雰囲気を感じさせてもいけないですね。

 

 

 

 

それでも、録音はイヤだというお客さんもいます。録音が出来ない場合は、記録を取ってください。

 

記録を取ることは、「言った言わない」のトラブルを避けるためにとても重要ですので、ここは譲れません。

 

「当店ではしっかり記録をとって、見落としが無いように対処させていただきます」といったお客さんへのアピールにもなります。

 

 

 

私のお店では、電話をスピーカーフォンに切り替えて、PCモニターとキーボードの間に置きます。タイプしている音がお客さんにもよ~く聞こえるようにして、記録を取りながらお客さんとお話をします。

 

 

記録を取ることで、汚い罵声を減らすお客さんもいます。

 

たとえば、お客さんが「ばかやろ~」と言ったら、タイプで「ば・か・や・ろ・う」とゆっくり打ちます。記録に残していることをアピールです(笑)。

 

お客さんによっては、「今のところは記録に残さなくていいんだよ!」なんていう方もいます。

 

ちょっとしたコメディみたいですが、記録にしっかり残していることを理解してもらうと話が穏便になることがあります。

 

 

 

矢継ぎ早にクレームを入れるお客さんには、「大変申し訳ございませんが、記録が追いつかないので少しお待ちいただけますか」とか「もう少しゆっくりお話していただいてよろしいですか?」というように怒りに任せたクレームにブレーキをかけることもできます。

 

 

 

ただ、この記録方法には欠点があって、機械的になってしまうと、大手のクレームセンターみたいで、感情が無い応対になってしまいます。

 

お客さんとしては、じっくり話を聞いてもらいたいのに、マニュアル的な応対をされると余計に苛立ってしまう方がいます。

 

こういった部分を和らげるために、記録を取る前に謝罪を繰り返しながら、まずはお客さんの話を聞く方法がよい場合があります。

 

 

 

お客さんの話が一段落した後、クレーム内容を再度確認して、お店側の説明をさせていただくところから、記録を始めさせてもらうことも一つの方法です。

 

クレームが入った時点で録音するというと、お客さんを最初からクレーマー扱いしているように思われてしまうので、あくまでもお店の対応を記録するという立場でお願いする方がよいかもしれません。

 

録音時には、お客さんのクレームを確認しながらお店側の説明をしていきます。

 

たとえば、「○○という問題が発生したということでよろしいですか?」というように逐一確認をしていきますので、その時点でお客さんが「はい」とお返事をしていれば、十分証拠として残ると思います。

 

 

 

内緒で録音することも可能ですが、これはお客さんとの交渉では使い難いです。

 

後から、「実はお客様との会話は録音していて、前回はこう言っておられました」と証拠をつきつけても、逆に「勝手に録音していたのか!」と次のクレームの種になってしまいます。

 

裁判とか大事になったら、使えるかもしれませんが、一般的にはオススメできません。

 

 

 

こういった録音や記録をしていても、自分の世界にいるお客さんにとっては意味の無い場合があります。

 

こちらが何を言っても、そんなことは言っていない、聞いていない、そういう意味で言ったんじゃない・・・という方です。

 

ちゃんと記録あるのに・・・・^^;

 

 

 

すでに言った言わないのクレームが生じている場合も同じですが、こうなると妥協点を見出していかないといけないと思います。

 

いつまでもクレーム処理に追われているわけにはいきません。

 

大手のようにクレーム担当がいればいいですが、中小のショップではそんな余裕はありませんので時間との兼ね合いもあります。

 

 

どういった問題であるかにもよりますが、ネットショップということですと、下記のようなことが考えられるかと思います。

 

・返品希望なら返品OKにする(ただし、送料・手数料等は交渉次第)。

・割引で対処する(割引率は状況次第)。

お詫び状を送る。

・電話対応を止め、メールまたは手紙の連絡にする。

・宅配会社など他社の責任である場合はそちらからも謝罪をしてもらう。

・担当者を替えてゼロから交渉しなおす。

 

 

大手企業のようにクレーム専門の部署があるわけではないので、対応策には常に時間とコストを考えていかないといけないのが中小のショップです。

 

お店側に非がない場合は、最小限で対応したいものです。

 

言った言わないの問題で、特に利害が生じないのであれば、「当店では○○と申し上げましたが、お客様に十分伝わりませんでしたことはお詫びします」というように、勝ち負けではありませんが、この部分はお客さんに譲っても仕方ないかもしれません。

 

後々を考えて、謝罪はするけれど、やんわりとお店側が言ったことは覆さない一貫した姿勢は必要だと思います。

 

 

 

話の通じないお客さんの場合、担当者を替えて、ゼロからやり直す方法もあります。企業ではこの方法が結構取られます。

 

あからさまに担当を替えるとお客さんからの更なるクレームになりますので、担当者がお休みなので変わりに○○が担当します・・・というようにさりげなく変わります。

 

ここからは、ゼロに近い交渉で、確認を繰り返してお客さんの意見を聞いてきます。さすがに二回目にもなると、話の内容がまとまってきて、言った言わないのクレームの率は下がります。

 

でも、人員的な問題がありますし、非常に時間のかかる交渉になる可能性があります。お客さんによっては、前の担当者を出せ!と余計なトラブルになることもあります。

 

ある会社で、この手法で対応したところ、「前の担当者を出せ!」と何度も攻め寄られた際に、うそを言っても分かってもらえないと判断して、正直に「過労で辞めました」と伝えたそうです。お客さんは一瞬絶句していたそうですが、「この程度のことで・・・」と言っていたそうです。

 

笑い話のように聞こえるかもしれませんが、現場を体験している人には笑えない話です。

 

 

 

お店で出来る範囲以上のことを要求されたり、怒りに任せた恫喝が続くようであれば、クレーム対策:怒り心頭のお客さんとの攻防でお話した法的対処も考えなければなりません。

 

でも、法的といっても、手間や費用がすごくかかりますので、そこまでやる必要があるのか、今対応できることで十分考慮する必要があるでしょう。

 

感情的になってしまうと、お客さんの記憶は薄れます。これが言った言わないのクレームに繋がる可能性があります。

 

なるべくお客さんには気を静めていただくように対処して、大切なところは何度も確認するくらいの慎重さが必要なこともあるでしょう。

 

「備えあれば憂いなし」と言いますが、些細なクレームでも安易に捉えないで、十分に備えて対応してみてください。

 

 


公開:2013年8月29日 / 更新:2016年12月12日 / カテゴリ:ネットショップのクレーム処理