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クレーム対応:お客様は神様です!(1)


「お客様は神様です」とは、業界でよく聞かれる言葉ですが、最近はこれが行き過ぎているために、モンスタークレーマーを生んでしまっているかもしれません。

 

丁寧に顧客対応するというのは、日本式の特徴で非常に評価されるべきことですが、モラルが欠如したお客が増えてきている現状に応じて、お店側は対応を変化させていく必要があるように思います。

 

 

ケーキ店やパン店にうそのクレームをつけ、商品や現金をだまし取ったとして兵庫県警は26日、同県伊丹市の無職の女(45)を詐欺の疑いで逮捕し、発表した。女の携帯電話から2~7月の半年間に全国30都道府県の1200店以上に計約7千回電話したことが記録から分かったといい、余罪についても調べる。~中略~

 

女の自宅にスーツ姿の男性が頻繁におわびに訪れたり、宅配便が日に何度も届いたりしていたのを不審に思った近所の住民が6月27日に女を尾行。駐車場で女に現金とパンを渡した被害者に警察に相談するよう勧めたことから容疑が浮かんだという。(参照元:朝日デジタル/2015年9月26日)

 

 

「お客様は神様」的な対応以外に、弱腰の顧客対応や事なかれ主義が、こういった犯罪を助長してしまっている原因があるのではないでしょうか。

 

そして、味をしめたクレーマーが、次々とターゲットを選んで被害が拡散して、いい加減やり過ぎたところで御用になるというのがパターン化しているような気がします。

 

 

 

過剰な「お客様は神様」対応が間違った方向に進んでいる

 

過剰なお客様対応で、商い環境に歪が生じていると思うことがあります。

 

日々のニュースでも過激なクレームから犯罪にいたるまで様々な事例があがっています。

 

理不尽なことや犯罪行為を助長してしまう影には、「お客様は神様=お客様に従わなければならない」という間違った解釈をしているお店側の態度にも問題があると思います・・・(とはいえ、下手にお客さんに反論すれば、逆ギレ店員と言われてしまうこともあり、かなり躊躇することは確かですが)。

 

 

「お客様は神様」の弊害は、店員さんを奴隷にしてしまうことがあります。

 

神様に言われれば、土下座だってしなければならないと思っている店員さんは多いでしょう。

 

土下座ブームはやりすぎでも書きましたが、お客様は神様という強い概念があって、理不尽なことでもお客さんのいうことを聞くしかない事態になってしまうのかもしれません。

 

 

弱腰対応と言われることがありますが、モンスタークレーマーに屈してしまう業界に一般消費者からも疑問の声が上がるくらいです。

 

欧米の企業を見習って、毅然とした態度で臨む会社も出てきているようですが、それが良い対応と評価されるか否か、そのときのマスコミやネット市民の評価によって左右されてしまいます。

 

 

 

ソーシャルネットワークの弊害

 

多くのショップや企業が恐れているのが、ツイッター、ブログ、Facebookなどでお店へのクレームを公開されてしまうことです。

 

たとえそれが嘘や噂レベルであっても、一旦、ツイッターなどで拡散されると公共のニュースのように受け入れられてしまいます。

 

公表されてしまった情報は独り歩きして、商売に大きなダメージを及ぼすことがあります。企業やチェーン店では数億円単位の損失に繋がる可能性すらあります。

 

クレーマーはその辺りも十分承知しているでしょう。

 

脅し文句に「ツイッターで拡散してやるぞ!」と言われるようなことがあれば、お店の評判を落とすくらいなら妥協しようという経営者をはじめ、オーナーや社長にばれないように穏便にすまそうとする従業員がいるのが現実ではないでしょうか。

 

 

 

お詫びした方が「楽」の現実

 

お客さんのクレームが嘘だとしても、それを調査してお店側に非がないことを証明するのにどれほどの労力がいるか考えると、お詫びをした方が「楽」または安上がりというケースがあります。

 

お店側に落ち度はなく、それを説明したとしても、何度も嫌がらせの電話をしてきたり、SNSで悪いうわさを流すといった営業妨害するクレーマーと対峙するのは大変です。

 

クレーマーと戦うリスクと手間を考えると、商品券や菓子折りで済むならその方が早いし安上がりということがあります。

 

ただし、その場限りの対応が正しいかったのかは、後になってみないと分かりません。

 

調子づいたクレーマーが要求をエスカレートさせくるかもしれませんし、自分のお店ではなく別のお店で同じような犯罪を繰り返すかもしれません。

 

 

 

クレームするとお得?

 

過剰なお客様対応の一つとして、クレームを入れることによってお得になることがお客さんに知られるようになっています。

 

クレームへのお詫びとして、様々なモノやサービスがもらえる実態があります。

 

 

・粗品や非売品がもらえる(企業の非売品はオークションで高く売れる)

 

・商品代金を割引またはタダにしてくれる(商品代金を一部または全額返してもらえる&商品は手元に残る)

 

・商品券がもらえる(お詫びとして手軽な商品券を送るお店や会社が結構ある)

 

・使った商品が返品できる(不良品でもないのに返品できる)

 

・サービスをグレードアップしてくれる(ホテルなどでグレードアップした部屋を差額なしで用意してくれる)

 

というように、クレーム=お得という間違った概念が出ているのも事実でしょう。

 

そして、こういったお得を得たいがために、大したことではなくてもクレームに仕立てあげてしまう人もいるようです。

 

 

 

金品で解決するクレームの弊害

 

企業やお店にしてみれば、クレームによって改善策や素晴らしいアイデアをいただいたということで、お礼の品として何かを差し上げるということがあります。

 

ところが、クレーム処理にはコストがかかるので、早めに金品でけりをつけたいという一面もあります。

 

前者のようにお礼としてお客さんに何かを差し上げるのであれば、クレームに価値はあるでしょう。

 

しかし、単に金で黙らせる的な対応になるとおかしな方向に進んでしまいます。

 

こういった金品で解決する安易な対応が日常化すると、お客さんのクレームが激しくなって、これを出せ、あれをよこせ、といった過剰な要求になってしまうことがあります。

 

昨今、色々なお店で犯罪に繋がるクレームの多くは、金品が絡まっています。

 

 

一つの店舗でこういったことをしてしまうと、味をしめたクレーマーが次々と別のお店もターゲットにして、被害が拡大することがあるのではないでしょうか。

 

これでは、業界(各ショップ)がわがままなクレーマーを育ててしまっているようなものです。

 

 

 

 

クレームの価値と時差

 

散々、クレームやクレーマーに関する負の部分をお話しましたが、クレームには多くの資産が含まれていることも付け加えておきたいです。

 

お客さんから厳しいクレームをいただいたのでそれを改善したところ、売上げが徐々に上がってきたというのは良くある話です。

 

お客さんからクレームを言われている瞬間は、「その必要があるのか、単に機嫌が悪くて文句を言いたいだけではないのか」と思ってしまうことがあります。

 

ところが、時間を置いて思い返すと「あの時、お客さんに言われたことを直したらクレームが減ったし、売上げもあがったなあ」と思うことが結構あります。

 

業績に反映されてくると、クレームを言ってくれるお客様がとてもありがたい存在に思えてきます。

 

 

 

クレームは上顧客を作るチャンス!

 

お客さんのクレームに真摯に対応することで、常連さんや上顧客になってくれることは珍しくありません。

 

クレームを上げてくるお客さんの多くは、改善して欲しいと思って連絡してきます。

 

なぜ、改善して欲しいか・・・それはまた利用したいからです。

 

ここを間違えて悪質クレーマー扱いしてしまうと、上顧客を逃してしまうことになる可能性があります。

 

お客さんのクレームを改善すれば、そのお客さんは「私の言ったことをしっかり聞いて対応してくれた^^v」と喜んで高い評価をしてくれます。

 

そこから常連さんになってくれて、口コミで新しいお客さんを呼び込んでもくれます。

 

>>>クレーム対応:お客様は神様です!(2)に続きます。

 

 


公開:2015年10月8日 / 更新:2016年2月6日 / カテゴリ:ネットショップのクレーム処理