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いたずら注文とIPアドレスの開示請求


ネットショップの悩みのタネの一つに、不正注文やいたずら注文があります。

 

 

いたずら注文

 

 

ネットショップン運営者は、このいたずら注文に神経をとがらせなければならないときが多々あります。

 

いたずら注文に悩まされているショップさんは密かに多いと思いますが、犯人を特定するのはなかなか大変です。余り詳しくは書かない方がいいと思うのですが、大まかなところをお伝えしたと思います。

 

 

いたずら注文の一つに、偽名や偽の住所を使って注文してくる行為があります。

 

何も知らずに受注して発送したお店側としては、当然、ご注文商品は届けることが出来ずに、手間と送料負担が残るだけです。

 

 

 

注文側の意図は想像するしかありませんが、憂さ晴らしで人を困らせたかったり、お店に嫌がらせをしたかったといったことが考えられるでしょう。

 

お店の対処としては、正直、ご注文を受ける時点で確認するのは難しいです。

 

基本的な事項として確認すべきことはありますが、余り詳しく書くと、悪い人たちにお店側の対応を読まれてしまうのでここでは省きます。

 

 

 

不正注文で被害にあった場合、偽名や住所は他人のもの、といった場合は相手側に何も出来ません。

 

そこで対応手段として、個人を特定できる可能性の一つにIPアドレスがあります。

 

IPアドレスは、ネットにアクセスする際にプロバイダーなどから割り当てられるもので、個人(またはアクセス箇所)を特定することが可能になります。

 

犯行予告や脅迫文を掲示板などに投稿した犯人が、インターネットのアクセス解析によって捕まったという話はよくニュースでも聞くと思います。

 

この犯人を特定する方法の一つがIPアドレスです。

 

このIPアドレスですが、ネットショップを運営している場合、このデータを持っているのはショッピングカートなどのシステムを提供しているASP会社です。

 

私は、ショッピングカートシステムを使用しているASP会社に、いたずら注文の主に警告をしようと、該当のIPアドレスの開示を請求したことがあります・・・・が、拒否されました。

 

 

 

基本的に、いたずら注文では、メールのやり取りは可能なことが多いです。メールが通じないとその時点で注文はキャンセルになりますから、最終的に商品を発送させるといういたずら注文に繋がりません。

 

そこで、こういった人たちはフリーメールを使っていたずら注文をしてきます。多くのショップで、フリーメールアドレスからの注文をお断りしている背景には、こういった事情もあります。

 

メールが通じるのであれば、こちらから警告することができます。ただ、相手を特定できない状況で、「お店は損害をこうむって迷惑している。こんなことをしたら警察に言いますよ!」みたいなことを言っても、相手を楽しませるだけです。

 

でも、IPアドレスが分かれば、どこからアクセスしているのか特定できるので、相手にある程度の警告を与えることが出来るはずだと個人的に思っています。そのため、ASP会社にIPアドレスの提示を求めたのです。

 

 

 

IPアドレス自体は、個人情報とはいえないのですが、注文情報やプロバイダー関連の情報と照合するなどして個人を特定できる場合には、個人情報に該当するようです。

 

こういった事情から、「お店側が被害にあった」と一方的に申し立てても、ASP会社側は安易に開示には応じてくれないようです。

 

あるASP会社に突っ込んで聞いたところ、「本当にショップ側が真実を伝えているのか、自分たちでは判断しかねるため開示できない」と言っていました。余り面倒なことに関わりたくないといった印象も感じました。

 

どうすれば、ASP会社にIPアドレスの開示をしてもらえるのか?ということになりますが、私が依頼した大手ASP会社では、警察や裁判所から令状・開示請求があれば、その時点で情報を開示するとのことでした。会社によっては、弁護士からの依頼があれば開示に応じることもあるそうです。

 

 

 

ただ、警察からの令状といわれても、送料程度の損失で警察が動いてくれるかはといえば・・・普通は無理でしょうね。

 

他店さんが警察に行ったときの話ですが、「万引きのように商品が取られたわけでもないし、この件で警察が動くのは難しいから、記録として残しておいて、複数の事案として上がってくればかなり悪質と判断してそのときに調査することになると思います」と言われたそうです。

 

 

それでは、弁護士に依頼して裁判所に持ち込む方法はどうかというと、発信元IPアドレス開示請求や発信者情報開示請求で20~30万円くらいかかるそうです。もし、プロバイダーなどの関連会社が開示請求を拒否してきたら、別の訴訟になってさらに費用がかさむそうです。

 

 

 

ここまで費用をかけたとしても、IPアドレスが分かったからといって、該当者が必ずしも特定されるわけではありません。あくまでもどの端末からアクセスしてきたかが分かるだけなので、その先はもっと調査が必要になる可能性があります。

 

大きな犯罪の場合は、警察の介入があって、利用者の情報を細かく調べたり、聞き込みなども含めて容疑者を見つけていくようなんですが。。。

 

中には、ネットショップ運営会社の社長さんが余りのイタズラに憤慨して、弁護士や調査費用を惜しまないでイタズラ主を特定して損害賠償請求をしたという話もあります。第二、第三の被害店舗を出す前にそれを食い止めてくれたことにはすごい感謝です。でも、これはものすごく少数派です。  

 

 

 

ざっとここまで読んでいただくと、理不尽だけど諦めるのが早いかなと思わずにはいられません。

 

実際には、情報を持っているASP会社がもっと協力的で、不正注文を抑止するような対策を講じてくれればと思うのですが、コストの問題や個人情報の扱いの難しさがあるようです。

 

一部のASP会社や大手ショッピングモールによっては、過去のデータから不正注文の可能性を警告してくれるシグナルがでるところもありますが、それでも万能ではありません。

 

 

こういったケースでは、単に諦めるのではなく、通報できるところには通報しておきましょう。

 

ASP会社、与信会社、決済会社、ポイント管理会社、警察(捜査してくれなくても記録が残る)などに事情を報告しておきましょう。

 

たとえば、あるケースで、一度目のいたずら注文のときは与信会社の審査をすり抜けてしまったのですが、いたずら注文を報告したことで、二回目のいたずらの時には、注文者情報は必ずしも同じではありませんでしたが偽装手口が似ており、与信審査が通らずその時点で注文キャンセルとなりました。

 

コストと手間の問題がありますが、各社に通報をすることで、何らかの対策を講じるきっかけになるかもしれないことを覚えておいて欲しいと思います。そして、何度も同じ犯行を繰り返す該当者は、警察によっていつかは捕まる可能性があると信じたいですね。 

 

 

こういったいたずら注文のお話は、あくまでも気をつけてください、というレベルの話で、極端に神経を尖らせてしまうと、普通のお客さんを疑ってしまうことにもなりかねませんので気をつけてください。

 

 

参考リンク:

IPアドレスとドメインネームのしくみ:IPアドレスが何なのか、仕組みを簡単に解説したページ

 

弁護士ドットコム:無料で簡単な法律相談が出来る。無料相談は公開なので様々な事案を見ることも可能。専門的な案件は有料(3150円/1回2往復)でインターネット法律相談を24時間受付。弁護士の一括見積もりで依頼も可能。

 

プロバイダ責任制限法:発信者情報の開示を請求する権利を定める法律の概要(ウィキペディア)

 

米国法人のブログサービス「FC2」への発信者情報開示請求はいかにして実現したか

 

 

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公開:2013年6月6日 / 更新:2016年12月6日 / カテゴリ:ショップオーナーの本音