クレーム対策:怒り心頭のお客さんとの攻防

ネットショップのクレーム処理

お店を運営しているとき、どんなに一生懸命、そして、丁寧に応対していても、お客さんが気分を害されて怒られることがあります。そんなときは冷静に対処しましょう。言葉で言うのは簡単なんですが・・・・

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クレームの初期対応は謝罪から

お店の不手際があったのであれば、まず謝罪しましょう。

最初にお客さんから苦情が入ったときは、正直、事態が良く把握できません。

しっかり説明してくれるお客さんもいますが、何がどうなっているのか分からないまま、罵声をあびせらることもあります。

事情が良く分からないのに、謝罪はイヤという方が時々いるのですが、まずは謝罪した方がいいかなと思います。

どうしても個人で商売をやっていると、会社のように上から指示されることが無いので、こういった謝罪や挨拶ごとがうやむやになっていて、評判を落とす結果になります。

まず、クレーム処理ではお客さんに落ち着いてもらう必要があります。

自分に責任が無いケースでは、謝罪するのは悔しいという方がいるのですが、配送会社も含めネットショップはチームでやっています。

少なくともお客さんにしてみれば、どれほどの会社や人が関わっているとしても、お金を払ったお店から買った商品である以上、クレームを言う先はお店になるという原則があるのです。

ただし、謝罪をしたからといって、お客さんの無理な要望に何でも答える必要はありません。

たとえば、荷物の到着が少し遅れたといって、「商品はもらうけどお金は払わないよ」といった要求には応じられないです。

 

事情を把握することに集中しましょう

一通りの謝罪をした後は、詳しい事情を聞きましょう。

クレームに対応する一つの手段は、お客さんの協力を得てお店が原因究明をしてそれを解決改善に導くということです。

お客さんに何を言われても、本題は生じた問題を解決すること一点にあるので、そのために必要な情報集めをしましょう。

「いつ、どこで、何が、どうなった」といった情報をお客さんから収集してください。

大概、色々な方向に話がずれていくので、基本形は、「○○についてお聞きしてもよろしいですか?」という感じ本題に戻していきます。

矢継ぎ早にYES/NO的な質問を浴びせると、マニュアル的で高飛車な感じを与えてしまいますし、立場が逆転しまう感じがして嫌がられるかもしれません。

怒鳴り散らしているお客さんでも、丁寧な応対で質問をすることで、段々落ち着いてくれることが多々あります。

お店側は混乱したお客さんのペースに合わせるのではなく、うまく相槌を打ちながらも、冷静に情報を収集して、改善しようとしている態度を見せることが大切だと思います。

 

余計なことは言わない

クレーマー的なお客さんは、単にお店のミスにクレームを入れるだけではなく、何でも苦情の題材にしてしまうので、余計なことは言わないことです。間違っても、舌戦には持ち込まないことです。

最初は、お店側のミスについて攻めてきますので、お店側では謝罪をするわけですが、段々ネタがなくなってくると、「誠意が無い」、「マナーがなっていない」、「他人のせいにするな」、「責任者を出せ」など、本題からどんどん離れていきます。

逐一、お客さんの言葉にイライラして、それに抵抗することは必要は無いと思います。個人攻撃もありますが、それは無視しましょう。

肝心なことは、手違いが起こったことに対する原因の究明と対処です。

すでに起こってしまったことでどうしようもなければ、今後こういったことが起こらないように改善策を申し上げるしかないこともあります。

企業とは違って資産も少ないわけですから、口止め料や怪しい賠償のようなことには応じられないです。できないことはできないので、「そういったご対応は難しいです。ご了承ください。」というように丁寧に伝えましょう。

また、事態を詳細に説明するのは大切ですが、もし、クレーマーであれば余り長い説明をしても聞いているようで聞いていなかったり、あら探しをして文脈の間違いを指摘されるのがオチです。

できるだけ、簡潔にまとめて説明するのが大切です。ただ、短い文章(発言)ですと「説明が少ない、誠意が無い現れだ」といってくる人もいますので、何をやってもクレームはしばらく納まらないことは覚悟しておきましょう。

 

電話はできるだけ避ける

電話連絡は賛否両論あるのですが、個人的には電話は厄介だと思っています。

罵声を浴びせられても、一度、電話で謝罪することで、多少物事が収まるケースもあるので一概には言えないのですが・・・。

怒っているお客さんは感情が高まっているので、こちらの説明も聞いてくれませんし、自分でも何を言ったか覚えていない方がいます。

電話で言った言わないということは、簡単な話を面倒な問題に発展させます。

「この前、お前は○○と言ったろう!」

「いえ、そのようなことは申し上げていないと思います。」

「嘘をつくな!」

さらに

「お客様、この前は○○とおっしゃられたと思うのですが・・・」

「そんなこと言っとらんわ、アホ!」

こんな感じですね><

 

最初の電話連絡は仕方ないので、事情を聞いた後は、調査をして折り返しご連絡させていただきますと言って早めに電話は切った方が無難だと思います。

個人的には、せっかくネットでビジネスをしているのであれば、メールを基本とした方が良い(安全)かなと思います。

ただ、メールでは伝えられる量が少ないので、1回の電話で10伝えられることがあったとすると、メールでは1しか伝えられないとなるとお客さんもストレスを抱えてしまうかもしれません。状況によりますので、必ずしもメールにこだわりすぎる必要はないときもあります。

こちらからメール連絡しても、どうしても電話で話したいというお客さんもいるのですが、状況を考慮して電話しても大丈夫なのか判断してください。

メールの文面が失礼であったりする方や「電話してこい!」とあからさまに言ってくる方は、電話で怒鳴り散らしたいといったストレス発散が目的で、話し合いにはならないことが多いと感じます。

下記の項目(自分を守ってください)でもお話しますが、個人でお店をやっていると精神的な負担が大きいので、こういったことは避けられるに越したことはありません。

 

お客さんとのやり取りを記録をする

とにかく怒りたいクレーマーは、ネタがなくなると揚げ足を取ったりして延々と続けられるので、ものすごい時間をとられることがあります。

「普通の人がネットではモンスターになってしまう」というのは良く知られいますが、映画のヤクザのまねをして、恫喝してくるお客さんもいます。

特に女性店長さんや女性スタッフさんだけのお店では、怖い思いをするのは嫌だと思いますし、相手側も過剰な要求をしてくることがあるので、電話連絡は遠慮させてもらってもいいかなと思います。

拒否する際も、「正確な情報をお伝えして、お客様との連絡も正確に記録させていただくためにメール連絡をお願いします」などといって対処されてみてはどうでしょうか。

どうしても電話連絡をされる際には、一人では対応せず、女性であれば男性にも同席してもらうなどして二人で応対したり、ボイスレコーダーを用意して録音しながら、お話し合いをされることをお勧めします。

「何で録音なんかするんだ!」と言われるかもしれませんが、サービスの向上や間違いなく対応させていただくためなどと言うのが差し障りのない理由でしょう。

しかし、状況によっては、「弁護士からの指示で・・・」と言って、法的対処も検討していることを暗に伝えてることで、話し合いが急に穏やかになることがあります。

実際に、恫喝や脅迫があれば、記録したものを証拠に弁護士に相談したり、警察に行って下さい。

 

「毒を持って毒を制す」は難しい

恫喝してくるようなお客さんに対しては、正直、こちらも同じように恫喝してやりたくなる方もいるでしょう。

ネットや雑誌では、「お店や会社側が逆ギレして暴言を吐いた」といったような記事が時々出てきます。

多くのケースでは、お客さん側は「ただ質問しただけなのに、すごい剣幕で怒られた」、「ちょっとクレームを言った程度なのに逆ギレされた」といったようなコメントが目立ちます。

お店をやっている人間からすれば、どこまで本当なのかなと思います。そんな簡単に商売をしている人間がキレるのかな・・・本当はすごいクレーマー相手にやってしまったのでは?と勘ぐりたくなるケースもあります。

それでも、お店側が悪いというイメージは変わりません。

お客さんの暴言に誘われて、同じようなことをしてしまうと、その場ではすっきりするかもしれません。でも、お店の評判を落としてまでやるべきことなのかよく考えてみてください。

いくらお客さんを説得しても恫喝が収まらなかったり、営業中に何度も電話されたりしたのでは商売に影響します。

余り度を超えたものであれば、タイミングを見計らって「恫喝や脅迫は犯罪ですので、これ以上続けられる場合は警察に通報します」とか、「これ以上の暴言がある場合は法的に対処させていただきます」といったように伝えることも可能でしょう。

これは切り札的な文言なので、最初から言っても意味が無いですし、実際に通報できるように記録を取っておいてください。

そして、お店側がしっかり問題解決をして、その上で、無用な嫌がらせのような暴言や恫喝がある場合に検討してください。

 

理不尽なクレームは対応不可と諦める

クレーム対応は神経をすり減らします。

こんなに親身に対応しているのにどうして分かってくれないのだろう・・・と自分を責めたり、嘆かないことです。

私のお店では、休業日は留守電対応にしていたことがあります。万が一、トラブルがあったとき、できるだけ早く対応できるようにとの配慮でしたが、裏目に出たことがあります。

ある日、データ目一杯のメッセージが入っており、聞いてみると、お客さんからの罵声でした。

「おい、電話でろ!このやろー!ふざけんなよ!」みたいヤクザ張りの恫喝じみたものが何度も録音されています。一回の録音は1~2分程度なので、何度もかけなおしていました。

そのクレームはなんだったと思います? 

午後に配達時間指定された荷物だったんですが、S急便が午前中に配達に行ってしまったんです!つまり、荷物が指定時間どおりにこなかったことに関するクレームだったんです。

荷物は受け取ってもらっていますし、正直、配達に関するクレームはS急便に上げて欲しいと思ったものです。

こちらからは配達時間を指定して出荷しており、各地の配達ドライバーの管理までできません。

地域や混雑具合によっては、指定時間どおりにお届けできないことは十分お伝えしていたつもりなんですが・・・・その後も何度も電話がきて、同じことの繰り返しです。

結局、S急便に事態を説明をしたところ、配達を担当した支店からお客さん宅へ謝罪に行ってくれました。

お客さん側でも分かっているはずなんですが、それでも「お前の店が悪い」とクレームは暫く続きました。

色々考えてみると、怒りの原因は別にあって、ちょっと苦言を言いたかったのが、お店が休業日で留守電対応だったので、そこから対応が悪いと怒れてしまったのかもしれません。

自分の思いどおりにならなかったから怒るというのは珍しいことではありませんが、常識的に考えて怒るなら配達時間を守らなかった配達員に「配達時間が違うだろう!」とその場で指摘されればよかったのにと思ってしまいます。

それが言えなかった自分に嫌気が差して、後から八つ当たりでお店にクレーム入れているということもあるのかもしれません。

こんな風に理不尽なクレームに対して、お店側で色々考えていたら自滅してしまいます。

自分を責め続けていると精神的によくありません。常識の範囲を超えてしまったら、そこは諦めても仕方ないと思います。

 

次にはきっといいお客さんがやってくる

どこかでお店の不手際があってもクレームには限度があり、過剰に攻め立てられるのはお店側で責任を負える範疇を超えているでしょう。

クレーム客の多くは、お店側が反撃してこないと分かっているので言いたい放題です。

きれい事を言えば、それらに耐えないといけません。

でも、個人でネットショップをやっている場合、こういったことでお店をやめてしまったり、休業する方もいるので、正直、無理をしすぎないことが大切かもしれません。

自分を責めないこと、クレーマーから自分を否定されても無視してください。

クレーマーは人に暴言を吐いてストレスを発散しているような可愛そうな人たちです。そんな人たちに取り込まれないようにしてください。

お店をやっていくうちには、たくさんの良い出会いがあります。

個人的には、嫌なお客さんは1000人に1人と思っています。999人は良いお客さんと思って、気を休めるようにしています。

嫌なお客さんに心を集中する必要はありません。999人の素敵なお客さんにサービスしていることを思い出してください。

次にはきっといいお客さんがやってきてくれます。

私も精神的にキツイなって思うことはあります。相手を呪ってやりたいくらいに怒りたくなることもあります。

そんなときは、「人を呪わば穴二つ」という言葉を思い出します(誰かを呪い殺せば、その報いで自分も殺されて墓穴が二つ必要になる。人に害を与えようとすれば、自分も害を受けるというたとえ)。

いくら怒れても、「人を呪わば穴二つ」の諺のように、クレーム相手と刺し違えるつもりは全くありません。私はハッピーな生活をしたいです!

困ったときは、嫌なお客さんを思い浮かべながら、問題が解決してその方と握手している光景を思い浮かべるようにしています。

イメージでも、相手をぼっこぼこにしたらだめですよ^^;

 

 
いざというときに役立つクレーム処理関連の書籍等:

現場の悩みを知り尽くしたプロが教える クレーム対応の教科書:元警察官で大手流通業などで20年近いクレーム対応をした現場体験から書かれたクレーム対応マニュアル。分かっているようで忘れてしまうクレーム対応の基本を5つの基本原則と21の実践テクニックとして掲載。

となりのクレーマー「苦情を言う人」との交渉術 (中公新書ラクレ):苦情処理のプロが、1300件以上を対応した体験から得た交渉する術を公開。「苦情社会」の対処法を伝授する一冊。

知識ゼロからのクレーム処理入門:手強いクレーマーに立ち向かう知恵と勇気をプロが教えてくれます。漫画とチャートで徹底ケーススタディ。

クレーム対応の技と心得 お客様との妥協点は必ずある:クレームといえば、コールセンター。そのコールセンターの指揮を執っていた著者によるクレーム発生のメカニズムと対応テクニックを紹介。

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