BASEのお急ぎ振込はいつでも利用できるとは限らない

お急ぎ振込の可否 ショップ運営とお金の問題

近年急速に利用店舗が増えているネットショップ運営システムのBASE には、売上金が2営業日で振込まれる「お急ぎ振込み」という便利な機能があります。

一般のネットショップ運営システムでは、売上金は翌月にお店の銀行口座に自動振込されることが多いです。クレジットカード決済の売上は、翌々月の振込という遅いところもあります。

BASEでは、ショップオーナーさんが売上金の振込依頼をすれば、10営業日で振込まれる方法を取っており、他のシステムよりも早く現金を手にすることが可能です。

「お急ぎ振込み」は、通常振込の10営業日を更に短縮して、2営業日で売上金を振込んでくれるサービスになります。

このお急ぎ振込みはとても便利なのですが、BASE側の審査で急に使えなくなることがあり、これに頼った仕入れ代金の支払いや資金計画には気をつけた方がよいでしょう。

こちらのページでは、BASEの売上金の出金(振込)の簡単な紹介に加え、便利と言われている「お急ぎ振込み」がお店にピンチを与えてしまうケースも含めてご案内します。

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BASEの売上金管理と振込はとても簡単

大手のショッピングカートシステムの中には、売上金は決済会社が管理していて、ネットショップ本体とは別のシステムで面倒なことがあります。

たとえば、カラーミーショップ MakeShop では、ショップサイト運営とは別にクレジットカードや後払いなどを提供する決済会社と契約できる形式なので、売上金はそれぞれの決済会社から振込まれます。

ショッピングカートシステムとお金(売上金)の管理が別々になっている場合は、複数の決済会社サイトにログインしなければ残高確認ができなかったり、利用料や振込といった手数料もそれぞれの会社に支払う必要があります。

BASEでは、ショップ運営と売上金の管理を一括で行っているため、BASEの管理画面ですべて処理できます。売上金は、お金管理画面から簡単に自分の銀行口座に振込申請することができます。

BASEで気をつけたいのは、オプション(有料)を使わない限り売上金は自動振込されないので、自分で振込申請をしなければいけません。

振込申請といっても難しいことはなく、管理画面で金額や手数料などを確認の上、パスワードを入力して申請ボタンを押すだけです。一度振込先を設定してしまえば、次からも同じ銀行口座に振込まれるので簡単です。

売上金の管理を1社に委ねてしまうことは、その会社の資金繰り悪化や倒産のような最悪のケースではすべてを失ってしまうリスクもゼロではありません。BASEに関してその可能性は低いと思いますが、余り売上金を溜め込まないで定期的に引き出しておくことをおすすめします。

BASEで売上金の振込申請を忘れないようにしましょうのページでは、BASEで商品を売った後、売上金の振込を依頼しないとその売上金が没収されてしまうことについてお話しましたので参考にしてください。

 

BASEの売上金の振込申請は2種類ある

BASE には、「通常振込」と「お急ぎ振込」の2種類があります。

通常振込は、振込申請をした後10営業日で売上金が自分の銀行口座に振込まれます。土日・祝日は含まれませんので、連休があるときは振込までに2週間以上かかることがあります。

10営業日というのは、一般的なネットショップ決済サービスを基準にして考えれば早い方だと思います。

クレジットカード決済であれば、お客さんが実際に支払うのは翌月になります。そのため、お店への振込が1ヵ月以上先になってしまう決済会社は珍しくありません。それと比べれば、10営業日で振込んでくれるのはお店としては便利なシステムでしょう。

お急ぎ振込は、最短翌営業日に振込まれます。

営業時間内の申請であれば翌営業日の振込も可能で、それ以外は2営業日後になることがあります。これはとても早いですね。

お急ぎ振込では、振込申請金額の1.5%が手数料として徴収されます。

1.5%を大きい負担と思うかどうかはお店によりますが、他社では売上に対する手数料がBASEより割高で振込手数料も高いケースがありますので、個人的には急いで振込まれることも考慮すれば許容範囲かと思います。

※BASEでは売上金が早く回収できる利点がある一方、注文のキャンセルがあったときには、お店が銀行振込などでお客さんに返金する必要があります。

一般のネットショップでは、注文のキャンセルがあった場合、クレジットカード決済の管理画面でポチッとキャンセル処理をするだけでいいのですが、BASEではそれができません(商品の発送前であれば、BASEでもキャンセル可)。

そのため、発送済みの注文キャンセルや返品処理では、お客さんに振込口座を聞いて自分で返金処理をしなければならず少し面倒です。

 

BASEのお急ぎ振込はいつも使えるとは限らない

便利なお急ぎ振込ですが、利用するにはいくつかの条件があります。

まず、基本的なところで、下記の条件では利用できません。

(1)初回の振込申請(今までに一度も振込申請したことない場合)

(2)今まで一度も申請したことがない銀行口座で申請を行う場合

基本的には、通常振込で1度でも振込が完了すれば利用できるということになります。

その他には、お客さんとトラブルの多いお店は利用が難しいですし、無形商品や換金性の高い商品等を取り扱っている場合などもトラブルの発生率が高いので利用できない可能性が高いそうです。

 

BASEのランダムな審査で急に利用できなくなることもある

「お急ぎ振込」のリスクは、いつでも使えるとは限らないことです。BASE側がランダムに運営状況などを審査をして、利用の可否を判断しているそうです。

BASEのヘルプページに掲載されている、お急ぎ振込が利用できない可能性についての記述です。

お急ぎ振込に関しましては、最新の運営状況・ご利用状況等を鑑みて、随時、担当部署による利用可否の審査をおこなっております。その審査結果により、お急ぎ振込を利用できないタイミングが発生する可能性がございます。

~中略~ 

審査内容詳細に関するご質問にはお答えすることができませんので、ご了承ください。

これはすごく怖いです。以前は利用できていたのに、ある日突然、BASEの判断で利用できなくなってしまう可能性があります。しかも、審査内容は秘密で、なぜお急ぎ振込みが使えないのか理由がわかりません。

もちろん、売上金が没収されるということではなく、通常の振込申請(10日営業日かかる)はできます。

でも、上記のような不規則な審査を知らないで、いつも利用して計画的な支払いなどをしていたのに、急に利用できなくなるのは困ります。

お急ぎ振込をあてにしていたのに利用ができなくて、月末の支払いに間に合わないという大ピンチに繋がってしまうかもしれません。

 

お急ぎ振込が急に利用できなくなって思ったこと

私のお店のケースですが、昨日までお急ぎ振込が選択できたのに、今日、管理画面を見たら利用できなくなっていたことがありました。

管理画面には何も理由は表示されておらず、「お急ぎ振込のご利用を希望する場合は、こちらまでお問い合わせください。」という案内が出ているだけです。連絡をすれば利用できるかのような文面にも思えますが全然違いました。

さっそくBASEのお問合せフォームから、お急ぎ振込について問合わせをしたものの、ホームページに掲載されている案内をほぼコピペしたメールが届きました。

お急ぎ振込に関しましては、最新の運営状況・ご利用状況等を鑑みて、随時、担当部署による利用可否の審査をおこなっております。その審査の結果により、タイミングによっては、お急ぎ振込機能をご利用いただけないことがございます。

また、審査内容詳細に関するご質問にはお答えすることができませんので、あわせてご理解ご了承くださいますようお願い申し上げます。

最新の運営状況やご利用状況というのが、何を意味しているのか分かりません。一応、ホームページを見ると利用できない典型例は掲載されていますが、お客さんとトラブルを抱えている悪質なショップに対して制限が行われる印象を持ちます。

しかし、私のお店では規約違反はしていませんし、お客さんとのトラブルも抱えていません。商品は高価とは言えない雑貨で、今までの運営歴も考慮してもらえれば、決して怪しいお店ではないことはわかってもらえると思うのですが・・・。

ネットショップの世界では、ショッピングモール運営会社やシステム提供側が「神」で、エラーや勘違いがあっても彼らが「黒いものでも白と言えば白になる」という非常さを何度も味わってきています(特にGoogleやAmazon)。

同じような問い合わせが多いのかもしれませんが、コピペの文章を送ってくる時点で交渉の余地はないと判断できました。揉めるだけ無駄というのは承知していますので、早々に諦めることにしたのは言うまでもありません。

こっそり審査をやって出金制限するのは構いませんが、今まで利用できたものが急に利用できなくなるのであれば、その時点で「あなたのお店では、今月からこのサービスは使えません」と遅滞なく通達して欲しいと思いました。

怪しいお店にはお急ぎ振込は利用できなくする!という制度のようですが、私のお店では翌月にはお急ぎ振込が普通に使えるようになっていました。ひょっとすると利用できない時期のパターンがあるのかもしれません。

 

BASEの資金ショートの噂が絶えない

お急ぎ振込が利用できなくなった顛末をネット繋がりの人たちに話したところ、お店として不正利用には身に覚えがない前提で、下記のような意見をいただきました。

・お急ぎ振込は立替え払いなので、BASEに十分な資金がないとできない。近年は利用者が急増したことで売上は上がっているが、カード会社などからの入金は1ヵ月以上先になるので、立替払いする資金が足りないときがあるのかもしれない。

・BASEはたくさん資本を集めているが、運営的には未だ資金ショートしている状態で、お急ぎ振込を利用する人が増えると利用制限するしかない。特に月末は支払いが多くなるので、お急ぎ振込が止められる可能性が高いのではないか。

色々な意見がありましたが、BASEの資金問題を上げている人が多かったです。

以前、BASEが10%オフキャンペーンを行ったときに、資金が足りなくなってキャンペーン途中で急に終わらせてしまうという事態になったことがありました。そのときにも、資金不足を心配する声が上がっていました。

売上金が没収されたという利用者の告発もありましたが、出資法云々もあろうかと思いますが、実際にはどれほどの額を没収しているのか、これまた資金不足を疑われることにもなっていました。

これらを総じて思うことは、BASEではお店側の不備でお急ぎ振込が利用できないと言っていますが、それが真実のすべてなのか?ということです。

また、少額でもお急ぎ払いが拒否されるケースもあるそうで、一企業がその程度も支払えないの?どんだけ困ってるんだよ!といった声もありました。

これに関してある投資家の方が、少額でもたくさんの利用者に対して制限がかけられれば大きな額になり、その売上金をしばらく立替払いしなくてすむことになれば理はある。月末に向けて資金ショートになることを避けるために、なりふり構わず蛇口を締めているかもしれないと指摘されていました。

あくまでも仲間内の戯言ですが、皆さんが薄々感じ取っていることは同じようでした。

個人的な体験で言えば、月の前半は「お急ぎ振込」が利用できて、月の後半になると「お急ぎ振込」が利用できなくなることがありました。

お店の運営状況を監視して「お急ぎ振込」の可否を判断しているというのは建前で(怪しいお店は多少あるとは思いますが)、何らかの理由で月の後半はできるだけ振込を抑えたいという方針ではないかと勘ぐりたくなります。

もし、BASE側の都合であるのなら、お店を悪者扱いして「お急ぎ振込」を拒否するのではなく、毎月18日~26日までは振込が集中するため利用制限させていただきますといった説明に変えていただいた方が納得がいく気がします。

 

お急ぎ振込の利用は慎重に

BASEのホームページでは「お急ぎ振込でショップの資金繰りを円滑にします!」と謳っています。

しかし、今日利用できたものが明日は急に利用できないこともあり、必要なときにお金を引き出せなくて、円滑どころか逆に窮地に追い込まれる可能性すらあります。

お急ぎ払いを利用するということは、普通に考えれば急ぎで現金が必要なわけですが、その急いでいるときに理由も伝えられずに使えない状況になるというのはとても困ります。

たとえば、個人のショップオーナーさんが、月末のクレジットカードの支払いのために25日あたりにお急ぎ振込を利用しようとしたら却下された!となったら困ってしまうでしょう。

お急ぎ振込は、いわゆるBASEによる立替え払いです。BASEはお店側の不備を理由に上げてお急ぎ振込に制限をかけますが、正確な理由は非公開です。

いつでも使えるとは限らない状況の中で、お急ぎ振込に頼って予定を立てることは、危ない橋を渡る事にもなりかねません。

お急ぎ払いは使えたらラッキーくらいに思って、10営業日で振込まれる「通常振込」を基本に計画的に利用された方が安心だと思います。従来の決済会社に比べれば、10日入金でも十分早いですからね。

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