西濃運輸はネット通販で使えるのか?

宅配トラック ネットショップの商品配送

ネットショップの配送会社といえば、ヤマト運輸、郵便局(日本郵政)、佐川急便という時代です。

その中で、西濃運輸が安い送料でネットショップの顧客獲得をしようとしているようです。

でも、送料が安いからと言って飛びつかないで、じっくり検討してみてください。

※配送料金やサービスに関する記述は執筆時のものです。サービスや料金等は変更になる場合がありますのでご了承ください。

 

西濃運輸では、Yahoo!ショッピングやヤフオクに出店していると全国一律490円/箱で荷物を出すことができます(執筆時)。通常料金で払っているショップさんにとっては、特に遠方のお客さんに送る場合は送料が1000円くらいになることがありますので、全国一律490円というのは魅力的に感じると思います。

※追記:Yahoo!ショッピングでの西濃運輸との契約は、新規受付が2018年9月28日(金)までとなります。料金は600円~/箱と変更されています。

ゆうパックの送料を安くする配送サービスで少しご紹介しましたが、イプシロン配送サービスでも西濃運輸のカンガルー便の割引サービスがあります。こちらは、全国一律600円/箱になります(※料金は700円~に変更されました)。

 

西濃運輸で注意したいところは、個人宅への宅配という面では、サービスにおいて非常に出遅れている会社だということです。

分かりやすいところでは、よく使われるカンガルーミニ便やカンガルー特急便は、配達時間指定が午前か午後の二種類しかありません。カンガルー通販便では、17時~20時の配達が可能のようです。

ヤマト運輸、佐川急便、ゆうパックでは、午前から夜21時まで6つの時間帯で配達時間指定が可能です。

多くのお客さんが時間指定をして荷物を受け取っていると思います。ご自宅でいつでも荷物を受け取ってくれる方がいればいいですが、そうもいかないでしょう。また、時間指定無しでいつ来るか分からない宅配便をずっと待っているというのは、なかなか苦痛なことがあります。

 

西濃運輸は、会社や事務所などへの配送には問題ないでしょうが、個人宅への配達には非常に使いにくい会社だと感じます。

また、西濃運輸は融通が利きにくく、夜に電話を掛けたらすでに閉店していたとか、いつ再配達できるか確約できないといわれたり、再配達の指定も面倒というお客さんの声を聞きます。

事情を知らないお客さんは気にしないかもしれませんが、知っていれば「このお店は西濃しか配送ないんだ、やめよ・・・」となるかもしれません。

自分のお店に来る配達ドライバーはお金をもらう都合、愛想が良かったり無理を聞いてくれていいサービスをしているように感じることがあるかもしれません。

そこで、周りが言うほど悪い会社ではないと思っても、全国の配達員が個人宅でも同じように良いサービスをやっているかといえば、必ずしもそうとはいえない実情があるでしょう。

西濃運輸については、機械や家具など大きな荷物の場合は、他の宅配会社は取り扱っていない/または高額になるので、西濃運輸でも仕方ないケースだと諦めるお客さんもいると思います。

私の地域の西濃運輸ドライバーは、他社の宅配ドライバーより遥かに広い範囲を一人で担当しています。また、個人宅への宅配会社とは思えない大きなトラックで配達していて大変そうです。

 

ネットショップ運営へのクレームの多くは配送に関することで書きましたが、ネット通販では配送がお客さんの評価に大きく影響します。

配達が遅い、予定通りに届かない、配達員の態度が悪いというのは、お店側ではどうすることもできないのですが、お店と直結して考えられてしまいます。

商品を受け取るときに嫌な思いをさせてしまったらリピートはありません。レビューでもひどいことを書かれるかもしれません。

 

お客さんの中には、宅配会社の責任で配送が遅れていることが分かっていても、お店にクレームを上げてくる人がいます。

「商品が届かない、どうなっているんだ!」

「いつまで待たせるんだ!」

「待ちくたびれた。もう受取る気はないから勝手に引き取れや!」

こんなクレームがあがってきたら、安い送料で送って得したと思っても実際には損にしかなっていません。

 

送料が安いから特定の配送会社を選ぶという選択では、お店の利益だけを考えて、お客さんを置き去りにする選択にならないように気をつけてください。

昨今は、ご注文金額が2000~3000円以上であれば、送料無料にするショップが増えていて、お店の負担は大きくなってきています。

そうなるとお客さん側での受取りに多少不便が生じようとも、安い送料の配送会社が気になってしまうかもしれません。

でも、配送で迷惑をかけると、気分を害したお客さんから、怒りの収めどころがなくて、重箱の隅をつつくようなクレームも増える可能性があります。

 

もし、西濃運輸のようにネット通販ではメジャーではない配送会社を使う場合は、もう一つヤマト運輸や郵便局でも配送ができる状態にしておいた方がよいかもしれません。

大手のショッピングカートでは、お客さんが注文する際、複数の宅配会社(配送方法)から選べる設定ができます。

注文画面で西濃運輸とヤマト運輸の違いを簡単に説明した上で、送料が安いけどサービスが多少劣る西濃運輸を選ぶのか、送料は少し高くてもサービスが良いヤマト運輸を選ぶのか、お客さんに選んでもらうことが可能です。

こういった選択があれば、西濃運輸の配達に問題があっても、お客さんはそれを承知で安い方を選んでいるので仕方ないと思ってもらえる可能性があります。

問題が発生したとき、お客さんから「西濃運輸しか選択肢がないからこんなことになるんだ」と言われないようにした方が無難かもしれません。

 

良い面から考えれば、遠方のお客さんにとっては、サービスより安い送料を選びたいケースがあるので、その選択肢があることは喜ばれるでしょう。

送料が安くてもサービスの悪い配送会社は使いたくない、多少費用ががかかってもヤマト運輸があるなら注文するというお客さんがいます。

ヤマト運輸は送料が高いから誰も選ばないだろうと断定しないで、サービスを重視するお客さんがいることも念頭においてください。

忙しい出荷作業において二社の異なる配送システムでやるのは面倒です。

ある程度の期間、調査も含めてやってみて、お客さんの反応をみてはいかかがでしょうか。

配送料はネットショップにとって大きな負担です。しかし、金額ばかりではなく、このサービスはお客さんにどう影響するだろうか?といったことも考えながら、配送会社を選んでください。

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