注文商品の配送遅れは時々起こってしまうものです。一旦発送した荷物に関しては宅配会社任せで、お店側ではどうにもならないことがほとんどですが、お客さんがお店にクレームを言ってこられることがあります。
あるお客さんから電話がかかってきたときのことです。
「注文した○○といいますが、商品を出荷したという案内メールが来ましたけど、いつまでたっても配達されてこないです。もういらないよ!」(ガチャン!)
こういった電話は心臓によくないです^^;
お客さんのお名前から、注文内容と配達状況を調べました。
S急便のホームページで荷物の配達状況を検索すると、ある支店についてから荷物が全然動いていない状態でした。
S急便に電話をすると、確認して折り返し電話します、ということで待ちました。
再度S急便から連絡があり、委託先のドライバーが3日間も荷物を放置していたことが判明!
再配達に行っていないということではなく、最初の最初、配達にすら行っていなかったのです。
S急便のドライバーが配達しているかと思ったのですが、いわゆる下請けの配送業者が配達するはずだったのですが、何らかの理由で荷物を配達していなかったのです。
S急便では、提携の配送業者が荷物を配達することは珍しくありません。委託先の配送業者はピンきりで、態度が悪い配達員がいたり、時間指定を守らない配達員がいてクレームになることがあります。ただ、今回のように配達にすら行っていないというトラブルは初めてでした。
急いで配達してもらうように連絡をして、委託先の配達業者にはお客様に謝罪に行くように伝えました。もちろん、当店からもお客様に謝罪しました。
遅れた荷物は受け取ってもらえましたが、たぶん、リピートはないだろうなと思いました。
お店からは急ぎで出荷していたのに、配達会社のトラブルでお客さんに気持ちよく荷物を受け取ってもらえないというのは、とても悔しい思いでした。
なぜ配達せずに放置していたのかは、分かりませんでした。会社側で理由が言えないというのは、単純なミスやシステム的なものではなく、現場の厳しい仕事環境による不都合なことがあるだろうと想像してしまいます。
ネットショップを運営していて気をつけたいことは、配送に絶対はないということです。
お店から荷物を発送したら、後は宅配会社に任せるしかありません。一販売店が各地の配達員を管理監督することは、当然ながら不可能です。
現在の流通システムでは、大概のところは翌日に届きますし、時間指定も可能です。
でも、それを過信して、明日絶対にお届けします!とか、指定された時間帯に必ずお届けします!とは言い切れないのです。
常にベテランのドライバーが配達しているわけではなく、前出のように委託先の配送業者が関わることもありますし、地図を見ながら不安な新人さんが配達することだってあります。
私の事務所でも、翌日到着で配達される予定の荷物が届かなくて、S急便の支店に電話したところ、荷物を持っている配達員から直接お電話しますと連絡がありました。
その配達員から電話が来ると、「今日は忙しくて配達できません。明日じゃだめですか。配達日も指定されていませんし・・・」とのこと。
新人の配達員で、配達が遅れていてかなりパニックになっている様子で、「とにかく今日は無理です」を繰り返すばかりでした。
「今日配達できないものを明日に回しても、明日も同じように荷物が来るんだから、その都度遅らせていると手がつけられなくなりますよ。支店に連絡して別の配達員にサポートしてもらった方がよろしいのでは?」と私が言ったところ、泣きそうな声になっていました。
結局、顔なじみの別の配達員が夜遅くに配達にやってきました。今日は休みでは?と聞いたところ、直接は言いませんでしたが、非番のところ呼び出されたようでした。
ちなみに前出の新人配達員は暫くして辞めてしまったそうです。
全国に配達すると色々なことが起きます。ですから、配達に関して過信は禁物だと思います。
大雪や台風など天候も影響しますし、事故などで交通渋滞もあります。
大雪や台風といった天候不順であれば、お客さんが理解してくれることも多いかと思います。しかし、事故なども含めて、宅配会社側の都合で配達できないことになると、お客さんの堪忍袋の緒が切れてしまうことがあります。
私の地元では、佐川急便のトラックが用水路に突っ込んでいたり、郵便局のバイクが接触事故で立ち往生しているところを見たことがあります。夕方の事故では、支店に助けを求めても、皆手一杯で当日の配達は間に合わない分があるだろうなと思いました。
お店としてできることの一つとして、送料が多少かかっても信頼度の高い宅配会社を使うことでしょう。
地域にもよりますが、一般的に認識されている配達の正確さは、ヤマト運輸(宅急便)▶郵便局▶佐川急便という順番になると思います。
宅急便は、アマゾンからの荷物が増えすぎて、一時期、配達が遅れるなどトラブルが生じた時期がありました。その後は、送料を上げるなどして宅配物の量を減らして、現場の負担を減らすことで正確な配達ができるようにしているようです。
郵便局では、近年、外部業者に委託することが増えてきたようで、以前のような正確な配達は期待できないことがあります。佐川急便は、以前から外部業者に委託することが多く、それによるトラブルが生じることが珍しくないと感じます。
建前としては、翌日配達や期日指定を守りたいところですが、絶対という言葉は避けて、お客さんには、予定通りにお届けできない可能性があることは、正直に伝えておいた方がよいでしょう。