ネットショップを成功させていく中には、複数のお店を出店するという方法があります。
大きなネットショップは、大概、楽天市場、Yahoo!ショッピング、アマゾンなど複数に出店しています。
中小規模のネットショップでも、複数のサイトで運営しているのは珍しくありません。
チェーン店のように1号店、2号店のような感じで出店したり、楽天市場支店、ヤフーショッピング支店などとして出店して販路を広げています。
複数店舗が簡単に出せるネットショップ
実店舗ではかなりの資金が必要になりますが、ネットショップではそれほどお金をかけずに、2号店、3号店と出店することができます。
まずは本店ですが、一般的に独自ドメインのサイトになるかと思います。
フリマからネット販売に入ってくる人たちもいますので、本店に拘る必要はありませんが、あればお客さんにアピールしやすいと思います。
次の出店をどこにするかはお店の運営方針などによると思いますが、楽天市場やYahoo!ショッピングに出店するのもありでしょうし、Amazonやフリマサイトなど別のサイトに出品してもいいでしょう。
小さいお店で複数店舗を運営しようとした場合は、まずはBASEやSTORES での出店が便利だと思います。
これらのサイトは、それぞれ簡単なシステムで構築されていて運用が比較的簡単だと思います。
それぞれのサイトでシステムが異なるため、使い方を覚えるだけでも大変なのですが、これらのサイトで複数出店するのはそれほど難しくないと思います。
メルカリなどフリマサイトは、システムはシンプルなので使いやすいと思います。
ただ、フリマはシステムはシンプルですが、運用にあたっては独自ルールがあって、個人売買が主体なこともあり、癖のお客さんも多く慣れるのが大変ということもあります。
複数のショッピングモールやマーケットに出店する利点
複数出店するには様々な理由がありますが、まずは自分のお店のマーケットを広げることができます。
マーケットが広がれば、当然、収入が増える可能性があります。
異る層のお客さんにアプローチできることもあります。例えば年齢で言えば、このマーケットは20代のお客さんが多いけど、別のマーケットでは40~50代が多いという感じです。
たとえば、メリカリと楽天市場では、利用者の層が異なりますし買い物方法も異なります。
お客さんの層が異なるという意味から、販路拡大のチャンスがありますし、あるショップで売れない商品でも別の店舗では売れるという現象が起こることがあります。
また、あるショップで風評被害やシステムトラブルがあっても、別のショップでその分をカバーできることもあります。
複数出店の組み合わせは自由
出店の組み合わせ方は自由で、カラーミーショップとYahoo!ショッピングでやってみたり、BASEとStores.jpで組み合わせてやってみるのもありだと思います。BASEとメリカリというのもあるでしょう。
組み合わせを考えるときに大事なポイントとして、扱いやすさやお客さんの層などを考えてみるのも大切です。
一例として、BASE、Stores.jp、Yahoo!ショッピング、メルカリへの出店で、どのような客層やマーケットがカバーできるか簡単に検証してみると・・・
BASEはショッピングモールと提携していませんが、独自のスマホアプリで集客を図っています。そのためスマホ利用者からの流入が多く、フリマや小さいお店の好きな人が集まる傾向があるように感じます。
STORESについては、シンプルですがデザイン性がおしゃれで、女性をターゲットにしたお店やファッション系のお店に人気があります。
Yahoo!ショッピングは、大手検索サイトあるYahoo!のショッピングモールに商品が掲載されるため、幅広い集客ができるところです。モールの利用者は、比較的年齢層が高めで安定していると言われています。
メルカリはフリマの代表格ですが、20~30代や主婦層に利用者が多いと言われています。趣味系は男性のお客さんも多いです。メリカリSHOPが追加されて、また別の客層が増えているように思います。
固定費がかからなければ複数出店の負担が少ない
料金ですが、BASEとYahoo!ショッピングは、月額固定費は無料です。商品が売れたときには、決済・販売手数料・システム利用料などで売上に対して数パーセントの手数料がかかります。
Yahoo!ショッピングでは、ショッピングモール特有のポイントやアフィリエイトポイントに関わる手数料が別途かかります。
Stores.jpは有料と無料プランがあります。無料プランは、決済手数料が少し高めに設定されていて機能が一部限られます。販売するだけであれば無料プランでも可能です。
メルカリは固定費はかかりませんが、売れたときに10%という一般のショッピングサイトと比べると倍近い手数料がかかります。
いずれのケースでも、月額固定費がかからなければ、複数出店の費用負担は少なく参入しやすいと思います。
複数ショップ運営の難しさ
複数ショップを運営する場合に気をつけたいことは、1~2人で運営する場合は、忙しくなりすぎて手が回らなくなることです。
嬉しい悲鳴とも言えるかもしれませんが、お客さんに迷惑をかけて評価を落としてしまう可能性もあります。
システムの異なるショップを運営することに慣れるまでは、多少時間がかかりますし、その間は結構ストレスになるかもしれません。
また、在庫管理が難しくなることもあります。在庫が少ない場合は、あるショップで売れてしまうと、他のショップで注文がきた分をキャンセルしなければなりません。
お客さんがせっかく注文してくれたのに在庫がないとなれば、お客さんをがっかりさせてしまい評価を落としますし、クレームに繋がることもあります。
外部ソフトを使って、在庫を自動管理できる(ある店舗で売れたら別店舗の在庫を自動的に減らす)システムがありますが、すべてに連結できるわけではないので、日々、在庫状況は手動で管理しないといけない難点があります。
ショップオーナーさんによっては、思い入れの違いで本店は一生懸命やるけど、他のサイトはいい加減で評価を下げていることがあります。
好き嫌いもありますが、なかなか平均してそれぞれのお店を成長させていくことが難しいことがあります。
欲を言えば、それぞれのマーケットやショッピングモール支店で担当者を付けて運営ができれば理想でしょう。
楽天市場への出店
小さな規模から始めることを考えてご紹介しましたが、大手の楽天市場も選択肢として当然上げられます。
国内でいえば、楽天市場は人気が高く、ここを外すわけにはいかないと考えるショップさんがあるでしょう。ただ、背伸びをして参入するのは大変かもしれません。
楽天では競争は激しいですし、色々手数料が徴収されて費用もかなりかかりますので、お店にとっては厳しいマーケットとよく言われます。ある程度体力(資本)ないと参入は厳しいマーケットだと思います。
楽天市場に出店していると取引先に信頼されるという一面があるようで、とりあえず出店して楽天内では余り活動していないショップもあります。
商品やお店の規模によって不向きな場合もありますので、どのお店も楽天に出店した方がよいとは思いませんが、チャンスがあることは確かだと思います。
複数出店は慎重にする
お店を広げていく方法は様々はありますので、夢や可能性を信じて、少しずつ規模を広げながらお店をやっていくのはなかなか楽しいと思います。
しかし、出店を増やしたがゆえに、疲弊してお店が廃れてしまうこともあります。そのため、むやみに増やせばいいというわけではありません。
一つのショップだけで十分な利益を上げているところもありますし、少人数で運営するのであれば、必ずしも手広くやらなくてもいいことがあります。
大きな会社でも全国に支店を増やして成功しているかと思ったら、資金繰りの悪化などで急に倒産のニュースが飛び込んでくることがあります。
個人ショップでは、無理をしない範囲で挑戦していくというのも大切ではないかと思います。