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ただで商品が届くと思うんじゃねぇ!


過激なタイトルですが、ある大手ショッピングサイト運営会社の社長がツイートで暴言を吐いたといわれている文言です。ネットショップに関係のある送料が関わっています。

 

 

怒る社長

 

 

大手ショッピングサイトの社長が「ツイートで暴言を吐いたことに謝罪」というニュースがYahoo! Newのトップ見出しに出ていました。

 

発端は、このショッピングサイトで購入する事に関して、「1050円の商品が送料手数料を入れると合計で1750円になる、これは詐欺だ」というような不満をツイートした人がいたことでした。

 

これに対して、その社長は「ただで商品が届くと思うんじゃねぇよ。お前ん家まで汗水たらしてヤマトの宅配会社の人がわざわざ運んでくれてんだよ。お前みたいな感謝のない奴は二度と注文しなくていいわ。」とツイートしてしまったことが問題になったわけですが・・・

 

 

 

この社長さんの言い方がよくなかったので、批判されてしまったと思いますが、もし、ネットショッピングの送料に関して思い募るところがあって一言苦言を言いたかったのであれば、気持ちは分かる気がします。

 

ネットショップでは、どのお店も送料負担で苦労していることは確かでしょう。

 

たとえば、多くのお店では送料525円プラス代引手数料315円くらいでやっていますので(消費税5%)、1050円の商品で代引発送を希望されていたら、合計で1890円になります。

 

これ、詐欺ですか?

 

このくらいは普通の料金体系だと思いますので、詐欺って言われたら、怒りたくなる店主さんもいるでしょう。私だったら怒るより、現状を理解してもらえないことを悲しく思います。

 

 

 

前出の件で、1050円の商品に対して700円の送料&手数料は高く感じるかもしれませんが、最低限かかる費用というのを理解して欲しいです。

 

1050円の商品で安いから、送料が105円で済むといった料率的に換算されるものではないのです。たとえば、宅急便を同じ県内宛に送ったとして、最低でも640円(一般料金)かかります。

 

10,500円の商品だとしたら700円の送料はそう高いものではないかもしれません(多くのお店では、5000円~10000円以上で送料無料ですが)。

 

宅配便ではなく、メール便を使うというのであれば送料は安く出来ますが、封筒に入る程度というサイズの規定があります。時間指定ができませんし、配達保証もありません(紛失しても送料分以上の保証は無い)。届かなかったら、お客さんからのクレームに繋がります。

 

送料は無料、もしくはすごく安くして欲しいけど、一般の宅配便でしっかり送って欲しいというのがお客さんの希望でしょう。これでは、特に安い商品の場合は、お店側では利益が出なくて大変になるわけです。

 

 

 

お客さんにしてみたら、送料無料は当たり前みたいになってきていますが、安い注文でも送料無料にする場合は、それをどう運営費からまかなうか、お店としてはなかなか難しい問題です。

 

一昔は「送料無料」を集客ツールの目玉のようにしていましたが、お客さんの購買意欲もあって高い商品でもよく売れたので、問題ありませんでした。

 

でも、今はデフレの真っ只中で、多くのショップは価格競争に陥って、ぎりぎりの値段で売っているところが多いと思います。さらにお客さんは安い商品に集中してしまうという状況です。

 

そこへ安い注文でも送料無料を要求されるという重荷が圧し掛かってくると、もう勘弁して欲しい・・・というオーナーさんは結構いると思います。

 

 

 

しかも、送料無料で送ったとしても、長期不在で受取不可、中には受取るのが面倒になった、必要無くなった、お金がない等で受取拒否する人まで最近は増えています。

 

宅配便で送った荷物は、お客さんが受け取らなかったらお店側が往復の送料を負担しないといけないんです。

 

行きと帰りの送料です。ダブルの負担です。

 

郵便だと届けられなかったら、ただ戻ってくるだけなので、宅配便で往復送料がかかることを知らない方が結構いるかもしれません。

 

 

 

代引きで送った場合は、送達不可となって商品代金を回収していなくても手数料だけ取られます。

 

配達と同時に代金を回収するのが代引きですが、代金回収に行くだけで手間賃のように請求されますので、お客さんが代金を支払うか否かに関わらず手数料を支払わないといけません。

 

代引き手数料は、集金したお金を振込むための手数料と思っている方が多いようですが、宅配会社からショップに振込みされる手数料は「振込事務手数料」というように別にあります。

 

 

 

お店を始めたばかりで、送料割引契約の無いお店では、一例として、片道640円の送料x2、プラス、代引き手数料315円。

 

これだけで、1595円の損失です。言い方は悪いかもしれませんが、ちょっとした万引きにあったような気分です。

 

他にも箱代を含めた梱包費用や人件費も入れると一件あたり200~300円は費用がかかっていると思います。

 

 

 

冷凍の場合は、クール宅急便といった特別便になって手数料は210円~というようにさらに手数料がかかるのです。食品を扱っているお店はもっと負担しないといけないんです。

 

 

正直、どこか大手さんで、こういった荷物受取拒否者のリストを管理して、与信チェックできるようなシステムを構築して欲しいと思うほどです。

 

一番情報を持っているのが宅配会社ですけど、彼らはお客さんが受取拒否しても送料や手数料をちゃんとお店から徴収するので、そんなことはやってくれないでしょう。

 

 

 

こんな状態では、どこかにしわ寄せは来ると思うんです。

 

本当はヤマト運輸で送りたいけれど、「送料無料じゃないとイヤだ」というお客さんが多いので、サービスがヤマト運輸より落ちるけど安く送れる他の宅配会社を選ばざるを得ない状況があります。

 

でも、安い宅配会社で送ると指定日時通りに届かない、配達員のマナーが悪い等で、お客さんからお店側にクレームがきます。

 

扱っている商品にもよりますが、送料を安くしろ、無料にしろと連呼されてしまうと、お店の努力でカバーできないところで無理が生じます。

 

 

 

ここまで愚痴ぽく書いてしまいましたが、これもネットショップの運営実態の一部です。

 

それでも頑張るしかない!これが今のネットショップだと思います。

 

逆にそれを楽しんで、少しずつ解決策を練って前に進むことです。

 

たとえば、お店の送料負担を減らしたいのなら、もっとたくさんの荷物を出して、宅配会社と送料の交渉をしましょう。たくさん荷物を出せば割引も増えます。

 

丁寧な梱包などをホームページでアピールして、送料負担をお客さんに理解してもらいましょう。

 

このお店は丁寧に送ってくれるから安心できる、そう思ってくれたらリピートも増えるでしょう。

 

小さなお店が、今のネット社会の流れを変えることはまず出来ないと思います。

 

不条理に思えることはあるけれど、不平を言うだけでは時間の無駄。それならば、その中でどう生き残っていくのかを探っていきましょう。

 

 

 



公開:2012年11月4日 / 更新:2016年12月15日 / カテゴリ:ネットショップ&その先