コロナ禍で実店舗販売が難しくなった2021年、多くのお店がネットに活路を見出そうとして、ネットショップを開店しました。そのとき、一番注目されたのはBASEではないかと思います。
BASEの出店ペースには勢いがあり、2021年には160万店を突破、2023年時では200万店以上が出店しているそうです。
BASEはシステムがシンプルで初心者でも扱いやすく、月額固定費0円&審査なしでネットショップが持てるため、楽天市場やYahoo!ショッピングなどに比べて敷居が低くお店を出しやすい環境にあります。
ところが、すごく期待してBASEでネットショップを始めたものの、余り売れなくて打開策にならなかったという話を聞くことがあります。
BASEでお店を作ったのに売れないのはなぜでしょうか?
BASEでは簡単にネットショップが作れるけど、お客さんは来ない!?
まず肝心なことですが、BASEはネットショップを運営するシステム(プラットフォーム)を提供しているところで、基本、宣伝や集客までやってくれません(執筆現在)。
便宜上、「BASEに出店」という表現を使いますが、BASEを使ってお店を出した(作った)という意味になります。
楽天市場やYahoo!ショッピングへの出店と比較して、BASEに出店しても売れないと言っている人たちがいますが、BASEは単にお店を作って運営するシステムなので、大手ショッピングモールに出店するのとは異なります。
楽天市場やYahoo!ショッピングでは、大きなショッピングモール内にお店を作って営業することになるので、お客さんがたくさんくる環境の中にお店を持つことができます。
ショッピングモールは購入意欲のあるお客さんが集まるところなので、買っていただける確率は上がります。
一方、BASEは単独でお店を出して運営する形に近いもので、ぽつんと一軒家のようなお店になります。
BASEはネットショップの運営システムと購入代金の決済処理を提供するだけであって、集客はお店でそれぞれ頑張ってやってくださいというシステムなのです。
結果、BASEでネットショップを作ったからといって、単純にネットで売れるようにはならないわけです。
BASEにもショッピングモール的な機能がある
一応、BASEにはPay IDというショッピングモールのようなものがあります。BASEでお店を作ると、自動でPay IDに商品が掲載(出品)されるようになっています。
Pay IDって何?という方も多いでしょうが、楽天市場やYahoo!ショッピングのような認知度や集客力は今のところないと思います。
Pay IDという名称からして、楽天市場やYahoo!ショッピングといったショッピングモールのイメージは一切ありません。
ショッピングモールというよりは、ショッピングアプリ(お買い物に便利な決済機能がついたスマホアプリ)という位置づけのように思います。
大手ショッピングモールと比べれば認知度は低いと思いますが、Pay IDの登録者数は2021年には750万人、2023年現在は1100万人を突破しているそうで登録者は増えています。
Pay ID内でも売れているお店はたくさんあり、使い方によって売上を伸ばすことは可能です。
たとえば、Pay IDのアプリ内でお客さんがお店をお気に入り(フォローする)に登録してくれれば、お店側で新商品を登録するたびにお客さんのスマホに通知が行ったり、セールなどのお知らせを送ることもできます。
リピーターさんにとっては、Pay IDに購入者情報が保管されますので、簡単に注文できるという利点があります。
有名店が揃っている大手ショッピングモールにいきなり入っていくのは怖いなと思うことがあれば、BASE&Pay IDのようにちょっと緩めのところから入っていくのも悪くないと思います。
欲を言えば、BASE側でショッピングモールを充実させて、メルカリのようにCMをたくさん出して集客してくれれば、お店側はもっと売上を伸ばしやすくなると思います。
BASE出店後、集客はSNSを活用して自分でやる
BASEでお店を作っただけでは、思うように売れません。まずは自分でお客さんをお店に呼び込まなければなりません。
集客にはいろいろな方法がありますが、BASEで推奨されているのがSNSを使った方法です。
お店側でインスタグラム、Facebook、Twitter、LINEなどを使って、お店を宣伝する方法が一般的です。
一昔前は、ブログやメールマガジンがメインでしたが、現在はインスタグラムやTwitterをはじめ様々なアプリがありますし、YoutubeやTikTokといった動画系もあります。
現状、ネットショップオーナーさんが、こういったSNSを使いこなせないと集客につなげることは難しいかもしれません。
SNSってなに?インスタってどうやるの?など聞かれることがありますが、BASEを選んでいる時点でネットには余り詳しくないというオーナーさんも多いでしょう。
BASEでお店を作るだけでも手一杯なのに、さらにSNSもやらないといけないの?となれば、もうお手上げという気持ちになってしまうかもしれません。
インスタやTwitterをいったん始めてみれば、意外に簡単で面白いし情報が発信しやすいというオーナーさんも結構いると思うのですが、最初の一歩が大変だろうと思います。
SNSは適当に更新すればいいものではなく、インスタは見栄えのよい写真が大切で、ブログやTwitterはコンテンツも大切です。もちろん、更新の頻度は多い方がいいです。
写真一つ掲載して商品が簡単に売れる時代ではないので、それなりに頑張らないと集客には繋がらないところが難しいところです。
SNSは面倒に思われるかもしれませんが、発信がうまくできているお店は売上好調なところが多いです。
アメリカや中国ではSNSを利用した販売が伸びており、大手ショッピングモールのマーケットを徐々に奪っている現状がありますので、日本でも同じような流れになるかもしれません。
BASEは大手ショッピングモールのように細かいルールや縛りがない分、外部サービスやアプリを使って自由に集客やプロモーションができます。それを生かした販売方法を模索していきたいところです。
👉ハンドメイドをInstagram&BASEで売る方法を学ぶ
自分で集客できないなら、大手ショッピングモールに出店する
BASEでお店を作っても、その後、何もしなければお客さんが来てくれる確率は少ないでしょう。
何をどうやれば集客できるのかわからない、SNSはやりたくないというのであれば、BASEのお店は少しお休みにして、知名度があって日々たくさんのお客さんが買い物をしている楽天市場やYahoo!ショッピングといったショッピングモールに出店することを検討してみてもよいと思います。
お客さんがたくさんいるところにお店を構えるというのは、商売の王道でしょう。
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大手ショッピングモールには数多くの優秀なお店が出店しているので、その中に埋もれてしまう可能性はあります。しかし、大手ショッピングモールにはたくさんの会員がいて、購入意欲のあるお客さんが集まってきますので、新しいお店でも比較的見つけてもらえる可能性が高いです。
BASEで作った個人運営のショップでは、お客さんから見たときに、いつ商品が発送されるのか、本当に発送されてくるのか、トラブルが起きたとき誰がどう責任をとってくれるのかという不安があると言われることがあります。
その点、大手ショッピングモール内での買い物は、たとえそれが新規参入ショップでも安心感が違うので、注文してもらえる可能性が高くなります。
ただ、大手ショッピングモールに出店するには出店審査がありますので、法人ではない、または、今までネットショップや実店舗での運営実績がない場合は出店が難しいことがあります。
また、大手ショッピングモールでは、売れる環境とシステムを提供してくれる一方、出店費用・販売手数料・ポイント負担など様々な費用等が大幅にアップしてきます。
大手のショッピンサイトに出品する場合、それぞれシステムの使い方やルールを覚えなければいけません。システムが使いこなせなくて、撤退してしまうショップもあります。時間をかけて慣れれば大丈夫なのですが、BASEほど簡単とは言えない部分が多々あります。
大手ショッピングモール以外では、手作り系であればminne やCreemaなどに出品する、フリマ系ならヤフオクやメルカリに出品する方法があります。Amazonに出品する方法もあります。
大手ショッピングモール系はまだ先と考えているなら、BASE以外のネットショッピング運営システムを検討してもよいと思います。
BASEのような固定費無料にこだわらなければ、ネットショップを開業するのには、カラーミーショップ、ショップサーブ、MakeShopなど様々な選択肢があります。
これらのシステムを利用して、繁盛店になっているネットショップは数多くあります。詳しくは、ネット販売に必要なネットショップ運営システムをご参照下さい。
有料広告を使って集客する
BASEでお店を作ったけど、インスタグラムやTwitterなどSNSでの情報発信している時間がないというのであれば、ネットの有料広告を使って集客する方法があります。
有料広告としては、Yahoo!プロモーション広告やAdWordsが有名です。
広告文・広告を出す時間や曜日・広告料金、検索キーワード、月額予算などを設定しておけば、後は自動で広告をネットに掲載してくれます。詳しくは効率よく集客するネット広告のページでご案内していますので参考にしてください。
実店舗でも、チラシを配ったり、情報誌に広告を掲載したり、TVCMを出したりということをやって集客をするわけですが、ネットではネットに特化した広告を出すという方法があります。
有料広告ではお金はかかりますが、自分でSNSをやるということは自分の時間を使うということで、そこには費用が発生しています。自分の時間を他のことに当てたいのであれば、外部の有料サービスを使うというのは有効な方法の一つでしょう。
闇雲に広告を出しても、費用だけかかって集客に繋がらないことがあります。まずはシステムを理解して、効率よく広告を出すこと、そして、予算オーバーしないように気をつけてください。
BASEでは売れないからメルカリに出店するのはどうか?
BASEでは売れないから他のサービスを検討したいというとき、集客・初期費用を抑える・簡単に出品できるという方法でいえば、今一番人気なのはメルカリではないでしょうか。
メルカリの月間利用者は2000万人もいるそうで(メルカリニュース、2021年9月)、集客力&販売力は間違いなく強いです。テレビでもCMがたくさん流れていて認知度は高いです。
2021年からは「メルカリSHOP」が誕生して、個人だけではなくお店としても出品できるようになりました。
メルカリSHOPがどの程度の規模になるのかは未知ですが、システムが簡単で集客力もあるとなれば、出店しておこうというお店が多いのではないでしょうか。
メルカリSHOPがうまくいき始めれば、BASEに出店している人たちもメルカリに流れてしまうかもしれません。
ただし、お店のルールがある程度自由に設定できるBASEと違って、メルカリには細かいルールがあり制約もあります。もちろん、慣れれば問題ありませんが、頑固なショップオーナーさんには馴染めないところがあるかもしれません。
また、メルカリでは細かい規定があって何でも売れるわけではありませんし、自分の売りたい形で売れるわけでもありません(例、無在庫販売はできない、ノークレーム・ノーリターン不可など)。
メルカリでは月額固定費はかかりませんが、注文ごとの販売手数料は10%というように少し高い印象があります。ちなみに、BASEの無料出店プラン(月額固定費なし)では、システム利用料と決済手数料で7%前後くらいになります(有料プランでは手数料は3%前後)。
メルカリは巨大なマーケットであること、そして、クーポン配布やセールなどテレビCMも含めて頻繁に集客を行っているので、広告宣伝費も含むと考えてみた場合、それくらいの手数料なら問題ないと思えるショップさんにとっては出店してみる価値は十分あると思います。
※メルカリSHOPに出店するには、通常(個人売買)のメルカリ・アカウントが必要になります。アカウント登録については、メルカリのWebサイト、またはメルカリのスマホアプリ(App Store / Google Play)をダウンロードしてください。
BASEの特性を理解して活用しよう
BASEのお店で売りたいのであれば、現状、自分で創意工夫しなければならないと思います。
ネットショップを一つ出したところで、ぽつんと一軒家状態、または雑踏の中で一人立ち尽くしているようなもので、何もしなければ売れる確率は低いです。
基本的には、自分でインスタグラム・Twitter・ブログ・Youtubeなどを利用して頻繁に更新してお店の情報を発信していく、または、GoogleやYahoo!に広告を出していくという辺りが定番でしょう。
インスタグラムやYoutubeなどに夢中になって、肝心のお店の方が疎かになって売れていないお店もあります。まずはお店を充実させることが基本になりますが、その上で集客方法を考えていかなければなりません。
ネットの集客は手間がかかるし難しいと思ったら、大手のショッピングモールやフリマなどを検討してみるのもよいと思います。
BASEの無料プランで出店する場合、お店を作るだけであれば、月額の固定費はかからないので(商品が売れたときに手数料がかかる)、とりあえずお店作ってみた、または、本格的な運用はしていないというように開店休業状態のお店が多いと言われています。せっかくお店を作ったのにもったいないですよね。
2021年時点でBASE全体の売上はコロナ禍もあって伸びているそうです。BASEでは売れないと言っている人たちをよそに、売れているお店は売れているということです。
BASEにはBASEの良さがありますので、その特性を理解した上で運営方法を検討してみてください。
▶「BASE」への出店方法・ショップ機能・決済の種類・利用料金などの詳細は、BASEオフィシャルページにてご確認をお願いします。