ネットショッピングの詐欺といえば、オークションなどでお客さんがひっかかるものだと思っているかもしれませんが、ネットショップも詐欺の被害にあうことがあります。
一般にネットショップが詐欺にあうケースでは、クレジットカード詐欺(他人名義のカードで注文して支払いを免れる)、後払いで商品を送ったけれど代金を払ってくれないというものがあります。
今回は少し違った詐欺を取り上げます。
悪用されるといけませんので詳細は避けますが、商品が足りないなどとして追加で商品を要求したり、支払い代金の減額を求めたりする詐欺があります。
信頼関係で成り立っている通販の根幹を揺るがすようなもので、備えのないネットショップにとっては怖いことでしょう。
詐欺という認識がないようなケースもあり、半分いたずらというか、商品を余計にもらえればラッキー程度の人もいるのではないかと思われます。
実際に、こんなにお得なことがありました!といったようなブログ記事が掲載されていることがあります。
大手通販などでは十分な確認をせず、お客さんの言われるままに事態を収拾していることがあり、この過剰なカスタマーサービスを逆手にとった形で、プチ詐欺が行われているようです。
こういった”お得情報”が広まって、中小のネットショップもターゲットにされるきっかけになっているのでは?と感じています。
数量違いは、高額商品にはあまりないクレームで、金額の大きくないものがターゲットになりやすいと思います。
小額であれば、信用問題や面倒なクレーム処理交渉を考えると多少損をしてもいいと思える範囲かも知れませんが、中小のネットショップでは結構厳しい出費になることがあります。
どのショップでも、納品ミスが無いように力を入れていると思いますが、全く無くなることは非常にまれだと思います。
自分では間違えてはいないと思っても、お客さんから強く言われると100%自信がもてなくなるのが納品ミスのつらいところです。
もちろん、商品を一つ二つ梱包するのであれば記憶も定かでしょうし間違いも余りないと思いますが、数量が多くて1点だけ欠けているといったクレームでは、ひょっとしたら・・・なんて思ってしまいます。
記憶の不確かな部分をつかれるわけですが、そういったことが無いように出荷チェックシートなど記録に残るものを使うことをお勧めします。
さらに、商品に同封する納品書にも、シャチハタなどの簡単なものでいいので商品番号や数量の横などに「しっかり同封を確認しました」という意味でポチっと判を押すこともいいです。
私のお店では、納品書の個数チェックに「レ」のマークを個数分記入して、数もしっかり確認していることをアピールした上で確認済みの印を押しています。
ただ、これも仕事に慣れてしまうと、実際の確認をしないで確認印を押したり、出荷チェックシートにマークだけを付けてしまうような人もいますので、絶対にその部分はいい加減にしないことが大切です。
ショップによっては、梱包の際に商品と伝票をデジカメで撮影したり、梱包作業用テーブルに小型カメラを設置しておいて、梱包するところを録画しているところもあります。
ここまでする必要があるかといわれると疑問はありますが、お客さんからクレームがあったときに「当店はビデオで梱包作業を録画していますので・・・」というだけで、簡単に解決したというお話を聞き、これはいいかもと思いました。
アメリカの大手通販会社では、梱包作業を上から撮影してしっかり商品が梱包されていることを記録している映像を見たことがあります。アメリカ特有かもしれませんが、従業員が盗んでしまうことがあるので抑止的な意味もあるそうです。
デジカメやスマホで配達伝票と商品を一緒にパシャ!と撮影するくらいなら、ほんの数秒です。
これで、間違えずに商品を同封したことを自信を持って宣言できますし、万が一、間違いがあったとしても後からの確認が容易になります。
私のお店でもデジカメ撮影しています。ものすごく忙しいとき、記憶が曖昧になることがあるのですが、「納品書入れたよね?」とふと思ったことが後から確認できるので、記録がしっかり残っていると安心できます。
お客さんに一方的にまくしたてられると、ひょっとしたら自分がミスしたのかもと思ってしまいますが、写真で残っていれば確認作業が楽になります。
この手のプチ詐欺は、大金を前払いしてまで行うケースはあまり聞いたことは無く、さらに金額が大きいとお店側の抵抗が激しいことは予想できますし警察への通報もありえます。
そこで、基本的には小額の商品が狙われるように思います。手口はそのうちに変わる可能性はあると思いますが。。。
扱う商品にもよりますが、店舗販売では万引きは珍しいことではなく、それがイヤで実店舗を出さない人もいると思います。
ネット販売なら大丈夫だろうと思っている方も結構いるんですが、ネットだから安心ということはないです。数は少ないと思いますが・・・
余り正義心ばかりが表に出てしまうと感情的になってしまいますし、些細なことでお店の評判を落としてしまうのは避けなければなりません。
こういった事案があると、正直、人間不信になるようなこともありますが、このあたりはクールにやっていくのが無難だと思います。
数が増えると各社での対処が厳格になり、警察沙汰になったり訴えられる人が出てくるでしょう。そこで、中途半端をするとヤバイことになると認識されるようになって終幕というのがこの種のプチ詐欺だと思いたいです。
いずれにしても、前出のようにシステム的に備えていなかったり、在庫数チェックなどがいい加減だと、こういった詐欺に自信を持って対処できません。
日々の心構えと備えが大切ということですね。