ネットで公開した情報は簡単にコピーされてしまいます。そこで、自分たちのお店を守るためにも、商品写真にはお店の名前やショップ・ドメインの透かし文字を入れるなどの対処をおススメします。
ショッピングサイトを見ると、「○○○.comは当サイトをコピーしているもので、弊社とはまったく関係ありません」といった注意書きを見ることがあります。
当初、わざわざ自分のホームページで悪質サイトを告発しなくても、サイト運営者に内容証明を送って警告をしたり、必要であればドメインやサーバー管理会社、その他の関係機関に通報するといった手段があるだろうと思いました。ところが、話はそんなに簡単なものではありませんでした。
自分のお店を守るには、後手に回るより先手先手で対処していった方がよいのではないかと思います。
コピーサイトは外国で登録&運営されている?
コピーサイト(ショップ)をたどっていくとウェブサイトのホストは中国や韓国で、ドメインはパナマの代行会社で取得されているというように簡単に解決できない状況のことがあります。
写真も含めて商品ページを丸ごとコピーしているので、日本語が分からなくても、ある程度きちんとしたホームページやショッピングサイトが作れてしまうところが怖いです。
私が見た中では、楽天市場のショップがメインターゲットになっているように感じました。楽天は海外でも知られていますし、フォーマットが一律なのでコピーしやすいのかもしれません。
コピーサイトをよく見てみると漢字がちょっと違うことがあったりして、中国語環境で編集されているのかなと思う場面もありました。
一応、ショップの住所やメールアドレス、担当者の名前も掲載されているのですが、架空のものではないかと思います。
あるコピーサイトをたどっていったら、同じようなデザインで作られた複数のサイトが出てきました。共通していたのは、茨城県の住所が使われていたことです。ただし、住所はショップごとに少しずつ違いました。
コピーサイト(ショップ)の目的
こういったコピーサイト(ショップ)が何を目的にしているのかというのは、実際に注文してみないと分からないのですが、被害のニュースを参考にすると次のようなことが考えられます。
(1)商品は発送しないでお金を騙し取る
(2)クレジットカード情報を盗む
(3)コピー品や盗品を販売する
(1)の支払いだけさせて商品を発送しないというのは、ネットでは定番の詐欺です。
(2)のクレジットカード情報を盗む場合は、一旦は注文を受けるフリをして、在庫切れなどといってキャンセルした上で、カード情報だけ盗み取る可能性があります。
盗んだカード情報を使って、他のお店に商品を注文したり、その商品を転売して現金を得ることができます。
(3)のコピー品や盗品を販売しているサイトでは、お客さんが気がつかなければ、ある程度の期間で運営することは可能でしょう。
正規品より安かったり、送料が無料だったりするとお客さんもお得なサイトの方へ行ってしまうのですが、後から騙されたことに気がつくという残念な結果になります。
コピー品や盗品販売のサイトは、ニュースで見ていると時々摘発されるケースがあることは確かですが、氷山の一角ではないでしょうか。
コピーサイトですから、いくらでも作れますし、少し運営して稼いだらネット上から消えてしまえばいいだけです。
ドメインの登録はパナマ、ウェブサイトは中国のサーバー、では実際に運営しているのは?と探しても、簡単にはみつからないでしょう。
日本で運営しているかもしれませんし、海外のネットカフェを転々としながら運営しているのかもしれません。調べるのは大変で、費用もかなりかかることになると思います。
警察沙汰になっても、日本の警察だけではなく海外の警察の協力が必要で、大規模な犯罪でない場合は対処が難しいのではないでしょうか。
詐欺ショップの余波が正規ショップにもやってくる
正規のショップが困るところは、こういった詐欺サイトが横行してくると自社サイトの売り上げが下がる可能性がありますし、信用問題にも関わってきます。
面倒なことは、騙されたお客さんからクレームが来ることです。
お客さんとしては、同じサイトに見えるので運営元が同じだと勘違いして、「商品を注文したけど届きません!連絡しても返事がありません!」といったクレームがきたりします。
こういった関係のないクレームや問合せを避けるため、前出のように自社のホームページに悪質なコピーサイトを告発する文言を出しているお店もあるのだろうと思います。
商品写真を守らないと詐欺を冗長してしまう?
私の運営するサイトの一つでは輸入品を扱っています。有名メーカーで世界中で販売されています。
メーカーから提供されるカタログに載っている写真では不十分だったので、自社できれいな写真を何枚も撮ってのホームページに載せいていたのですが、海外のサイトで勝手にこれらの写真を使われていました。
大手のオークションサイトでも出品者が勝手に使っていて、詐欺とまでは言いませんが、うその記述で希少価値を高めて値段を吊り上げている状況をみてとても残念に思いました。
商品写真を勝手に使わせてしまうというのは、詐欺を助長してしまう可能性があるのではないかとその時に思いました。
盗む方はコピペで簡単ですが、こちらでは一つの商品で何百枚も写真を撮って、その中から厳選して加工をした上でお店用に出しているわけです。そう思うと、正直者が損をする気分にもなりました。
今では各商品にお店のドメインの透かし文字を入れているので、勝手に使われることは減りました。
商品写真にお店の名前やドメインを入れる
メーカーなどから提供される商品写真を使う場合は別ですが、自分で写真を撮ってホームページに掲載する場合は、他人に勝手に使われないように考えてみてください。
例:お店のドメイン(架空)を透かしで入れた写真
商品写真にショップ・ドメインなどの透かしを入れることは多少面倒ですが、うまく加工すれば、小さな雑貨店や手作り品ショップでもちょっとした独自ブランドイメージを出すことが可能だと思います。
Yahoo!では写真を検索する機能があって、そこからお客さんがネットショップにやってくることもありますので、きれいに仕上げれば写真一つ一つがお店の宣伝にもなると思います。
自分のお店と商品ブランドを守るだけでなく、詐欺などからお客さんを守ることにもつながると思いますので検討してみてください。