発送作業は物流倉庫に任せるべきか?

物流倉庫 ネットショップの商品配送

ネットショップが段々大きくなってくると、在庫管理と発送作業が大変になってきます。

商品を梱包して発送する作業は、単純作業でありながら、納品ミスなどの間違いが許されない作業でもあり神経を使います。

小さなネットショップでは、すべての作業を1~2人程度でこなしているところが珍しくないでしょうから、発送作業に追われて他の仕事ができないことがあります。

クリスマスなどの繁忙期には、発送作業が追いつかなくて、せっかくの受注チャンスを逃してしまうお店もあるでしょう。

そんなときに検討したいのが、物流倉庫に商品を預けて発送作業を代行してもらうサービスです。

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発送代行会社(物流倉庫)に任せるメリット

発送作業を専門会社に任せるというのは、日々の作業軽減に大いに役立ちます。商品を発送代行会社の物流倉庫に預けることになるので、自分のお店で商品を置いておくスペースを少なくすることができます。

クリスマスやバレンタインといった忙しい時期でも、たくさんの注文に対処できます。小さい物流倉庫では1日に発送できる個数に制限がかかることがありますが、基本、どんどん受注して発送依頼すればいいので、稼ぎ時には本当に助かるサービスです。

個人でお店をやっているケースでは、午前中に受注メールの返信をして、午後に梱包作業をして夕方に発送、夜間に発送完了のメールをお客さんに送るといった作業をしているところがあるでしょう。

梱包作業をしている途中に、電話がかかってくることがあります。正直、午後の電話は出たくないものです。

電話に出て作業を中断され、どんな急用かと思えば、注文されているお客さんから、いつ発送されるの?明日までに本当に届くの?といったすでにメールで連絡済みの内容で、この電話のせいで遅れるかもしれません!と言いたくなるような場面も結構あるのではないでしょうか(笑)。

宅配会社に荷物を持ち込めるタイムリミットがあり、それまでに荷物を出さなければならないので、夕方になってくるとピリピリしてくることがあります。

こういった場面でも、発送代行会社に任せてあれば、発送依頼をホームページやアプリから送るだけで、後は作業を任せられます。この手軽さは、忙しいときほどありがたいです。

また、物流倉庫に商品を預けているため、必ずしもオフィスにいる必要がありません。

副業でネットショップを行っているオーナーさんは、会社で働きながら昼休みなどに発送代行会社に発送の依頼をすることも可能です。

子育てに忙しく、定時で梱包&出荷できないようなオーナーさんでも、注文が入ったら後は発送依頼をするだけで済むので安心でしょう。

もっと言えば、メールやウェブサイトにアクセスできる環境にいれば、海外旅行に行っていてもお店を休む必要はありません。もちろん、クレームや返品等でオフィスにいないと対応が難しい事態も想定しなければなりませんが、自由度が広がるという点では発送代行会社を使う利点はあります。

 

発送代行会社のコストがそれほど高く感じなくなった?

2017~2018年は、特に送料の値上げが激しかった時期です。中小のショップでは、今までは安い送料で送れたものが、急に送料の値上げを迫られる事態になりました。

中小のお店が、自分たちで送料の値下げ交渉をするのは難しい時代に入ったように感じます。

こういった状況の中でも、大きな物流倉庫を要する発送代行会社は、大きな値上がりがなく営業しているところがあります。

物流倉庫でも宅配会社との契約で送料の値上げがあったと思われますが、自社のコスト(保管料や梱包手数料など)を下げたりして、送料の値上げ分を吸収しているようです。

高い送料を個人ショップで負担するより、物流倉庫にすべて任せてしまった方が、全体の料金としては安くなったり、自分ですべて行うケースと比べて大して金額差が無いことがあると思います。

 

梱包作業スタッフを雇うよりアウトソーシングに頼る

ショップオーナー自ら梱包作業を行うというのは、時間の無駄という考えがあります。

本来、商品制作やウェブサイト作成などクリエイティブな部分で活かせる才能や時間を、発送作業に時間を費やすことは、適材適所という意味からもったいないと思います。

梱包や発送作業を人任せにできたら、自分の時間が増えるので、商品開発したり、商品を宣伝することなどに時間を費やすことができるでしょう。

しかし、人を雇うというのは人件費がかかり、お店が暇でも給料の支払いが生じます。また、その人を指導管理していくという新しい仕事が生まれます。

自宅で仕事をしている場合は、他人が自宅を出入りすることになっては家族に迷惑をかけるので、オフィスや倉庫などを借りる必要も出てくるでしょう。個人ショップでは、一人雇うだけで結構な出費になります。

忙しいときだけアルバイトを雇うお店もありますが、慣れない作業で梱包ミスや納品違いが生じてしまったときには後処理が大変です。特にクリスマスといったプレゼントが関わるときには時間が迫っていますので、非常にストレスがかかってきます。

こういった事情を鑑みて、わざわざ人を雇うより自分でやった方が早いとか、自分ですべてやっているからこそお金が残るというショップオーナーさんがいます。

無理をして人を雇うより、自分のできる範囲の仕事をして、一定の収入があれば十分と考えているオーナーさんも多いと思います。

ただ、梱包&発送作業に関しては、自分のお店で人を雇わないでアウトソーシングできるので、検討してみる価値があるのではないでしょうか。

 

物流倉庫に預ける準備と手間

発送代行のために商品を預ける際には、物流倉庫で商品管理するためのバーコードラベル貼りや個別包装などの作業が必要です。

元々、バーコードが箱に印刷されている市販の商品であれば手間は少ないですが、自分で商品を作っていたり、海外から輸入している際には、物流倉庫から指定されるラベルを商品に貼る必要があります。

同じ商品を大量に預けるケースでは別ですが、在庫が一つしかない商品をたくさん預けるケースでは、それぞれに異なるバーコードラベルを張ったりして、結構な手間になります。

たかがラベル貼りですが、これを間違ってしまうと物流倉庫で取り違いが生じて、最終的にお客さんに間違った商品が届いてしまうことになります。

他には、倉庫で管理されている間、湿気を防いだり汚れたりしないように、商品を小箱やビニール袋などに入れておく作業も必要です。

物流倉庫では、預けた商品に緩衝材を加えて箱に詰めるだけですので、商品をしっかり包装しておかなければ、お客さんが受取ったときに見た目が悪くなってしまうことがあります。

物流倉庫に預けるのがこんなに面倒なら、自分でお客さんに直接発送した方が安心だし、手間もかからないというお店があるでしょう。

ただ、こういった面倒な梱包作業は、お店の暇な時にまとめてやっておくことが可能です。

忙しくなる前に準備をして物流倉庫に商品を預けておけば、クリスマスやバレンタインデーといったギフトシーズンでも、ある程度余裕を持って対応できるようになると思います。

 

発送代行会社がどの宅配会社を使っているのか?

発送代行会社の中には、どの宅配会社を使っているのか、ホームページに公開していないところがあります。宅配会社との契約の問題などもあるのでしょうが、その部分は必ず確認しておきたいところです。

送料や手数料の安さばかりが強調されていることがありますが、ヤマト運輸や郵便局ではなく、佐川急便や西濃運輸がメインだったら、飛びつかずに少し慎重になった方がよいと思います。

どの宅配会社を使って発送しているかという項目に、複数の宅配会社の名前を出している会社がありますが、メインで使っている宅配会社はどこか?という確認も必要です。

ヤマト運輸または佐川急便で発送という記述をしている会社がありますが、送料が安い佐川急便がメインになっている可能性があります。ヤマト運輸を入れておくと好印象が得られやすいという策にはだまされない方がよいでしょう。

簡単な見分け方として、沖縄県や離島への発送で、送料とは別に1000円以上が徴収される場合は、佐川急便がメインの可能性があります。

注文した商品がこないからもういらない!クレーム対策:怒り心頭のお客さんとの攻防のページなどでも、お客さんからの配送に関するクレームの数々をご紹介しましたが、配送会社がしっかり仕事をしないためにネットショップが疲弊してしまう構図があります。

商品力やブランド力が強くて、競合が少ないのであれば、宅配会社の良し悪しが販売に大きく影響しない可能性はあります。そうでないお店では、配達のトラブルが販売に大きく影響する(リピート購入がなくなる)可能性があります。

契約の前に見積りを出してもらえますので、どの宅配会社でいくらで送れるのかということも細かく確認してください。

 

アマゾンのFBAマルチチャネルサービスの利用価値は?

ネット通販大手のアマゾンでは、アマゾンの物流倉庫に商品を預けて販売することができます。個人でも、アマゾンの倉庫に商品を預けて出品すれば、アマゾンが販売から発送まで行ってくれます。

アマゾンで販売はしたくないというショップさんもありますが、フルフィルメント by Amazonのマルチチャネルサービスを使えば、アマゾンで販売をしなくても、アマゾンを発送代行会社&物流倉庫として使うことが可能です。

発送代行会社としては、料金も手頃で利用しやすいです。何より大手アマゾンですから、商品を預けても安心というところがあるでしょう。

ただし、気をつけたいのは、アマゾンでは配送会社が選べないということです。

アマゾンの配送会社は、ヤマト運輸や郵便局ばかりではなく、デリバリープロバイダといわれるローカル配送会社もあります。

このデリバリープロバイダというのが、いわゆるアマゾンの配送の評価を著しく下げており、クレームの元になっています。ネットで軽く調べるだけで、トラブルの数々が上がってきます。

デリバリープロバイダの本業は物流トラックの会社であったり、中には下請けの個人事業主に配達を依頼していたりして、管理体制やサービスのばらつきが大きいようです。

個人宅への配達はまだ慣れない部分もあるとは思いますが、ヤマト運輸や郵便局と比べてしまうと、配達の正確さや配達員のマナーなど色々と問題にされてしまうことがあります。

料金が安いというのは、こういったマイナーな運送会社を使うことで可能になっているようです。

前出の通り、安さだけを求めてしまうと後からクレーム処理に追われる可能性があります。アマゾンに販売委託する分には、アマゾン側が責任を負ってくれますが、配送だけを委託しているお店には、お客さんから直接クレームがくるでしょう。

また、アマゾンでは大規模なセールが度々行われますが、その時期は発送が大幅に遅れることがあります。

アマゾンに出品していないお店には関係のないことですが、物流倉庫が同じなので影響を受けます。お客さんに、なぜ発送が遅れているのか?いつ届くのか?ということを伝えるのが難しい状況になることがあります。

アマゾンの物流システムや料金は魅力ですが、こういった理由を考慮すると利用を躊躇してしまうお店が多いのが実情でしょう。

 

自分のお店で発送するメリット

物流倉庫と発送代行について述べてきましたが、やっぱり自分のお店でやった方がいいと思うショップオーナーさんもいるでしょう。

自分のお店で発送を行うことのメリットの一つは、お客さんへの細かい対応ができることです。

プレゼント包装の細かい要望に対応できたり、物流倉庫で発送依頼の締切り時間を過ぎていても、お店であれば多少無理をして、急ぎの発送に間に合わせることが可能です。

物流倉庫の梱包が雑なことはないと思いますが、自分のお店でやるときには、梱包資材を自分の好きなものを選んで、梱包も丁寧にやることができます。

注文に応じて、お礼の粗品やお手紙を添えることも可能です(一部、粗品は物流倉庫に預けておけば、注文時に依頼すれば追加することは可能です)。

お問い合わせがあったとき、商品が手元にないと説明が難しいことがあるでしょう。機能や質感など手元に商品があれば、お客さんに説明しやすいです。

私のお店では、発送代行会社と自社の両方で発送をやっています。忙しい時期には、物流倉庫に多めに商品を預けて対応しています。

本来なら、物流倉庫にすべて預けた方が効率がよいのですが、ある程度の商品は自分のお店で管理した方が、お客さんからの問合わせに対応しやすいです。また、不具合があったときの対処でも、手元に商品があれば迅速に対応ができます。

 

感情が無くなっていくのが怖いけど・・・

システム任せにすればするほど、効率が上がって売上を増やすことができるでしょう。しかし、機械的になってくる部分が多くなると、お客さんとの繋がりが失われていく一面があります。

大きなショップでは、受注処理システムが注文を受けると自動的に物流倉庫に発送指示を出す流れになっています。こういった自動化された通販ショップでは、受注スタッフはシステムが正常に稼働しているか確認するだけで十分になってきます。

自動化は便利ですが、ネットの向こうにいるお客さんの顔が段々想像できなくなってくる・・・そんな雰囲気をどこかに感じ始めたら、お店の売上が下がってくるかもしれません。

小さいお店は、お客さんと直接話しをして、お客さんのことを思いながらプレゼント包装や箱詰めをして送り出しているでしょう。

発送後にも、しっかり届いたかな、包装は気に入ってもらえたかな、プレゼントして贈れらた方は喜んでくれただろうか?というように色々なことが気になるショップオーナーさんもいると思います。

小さなお店では、小回りがきく、気遣いがある、お客さんとショップオーナーが身近な存在であるといったことが、お客さんに好まれているところがあります。そのため、大手のような自動化や効率化を求め始めたとき、お客さんが離れていってしまうことがあります。

コツコツと地道にやって何が悪い、他人任せにしないで自分たちの食べていける範囲で儲ける、それでも十分なお店はたくさんあると思います。下手に楽をしようとしたり、他人任せにしてしまうと信用を失うことにもなりかねません。

すべて自分だけでやるというのはどこかで無理か生じることがあり、どこかで効率化を図っていかなければお店を大きくしていくことは難しいと思います。でも、お客さんとの間に距離が生まれないように気をつけることは大切ではないかと思います。

しかしながら、注文が日々大量に入ってくるようになれば、注文や梱包処理でパニックになったり、発送が遅れるとお客さんからのクレームが来たりして、別の意味でお客さんに迷惑をかけてしまうことがあります。そうなってくると、物流倉庫の利便性を大きく感じることになると思います。

物流倉庫と自分のお店で発送することの利点をそれぞれ吟味して、忙しさに合わせて、柔軟な利用方法を考えてみてはいかがでしょう。

 

参考リンク:
物流倉庫一括.jp :発送代行および物流倉庫にまとめてお問合わせができるサイト。物流倉庫の一覧あり。
STORES.jp :専門的な知識は不要でネットショップができるサイト。物流倉庫&発送代行サービスがある。

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