2018年3月、ネットショップ運営システム「BASE」のテレビCMがオンエアされ始めました。起用されているのは、なんと、香取慎吾さんです。これから、一般のお客さんにもBASEの知名度が上がってくれると嬉しいです。
BASEのCMでは、まじめでも面白いと感じさせる香取さんのキャラ設定がいい味を出していると思います。SMAPの一大ニュースを追っていたので、ここで香取さんをCMに呼んでくれたBASEに拍手したいです。
ただ、あれっ?と思ったことがありました。
BASEの事前告知では、テレビCMのオンエアをするので、お客さんがたくさん来るようになるから販促に活用してほしいといった情報を出していました。
当然、お店側は「BASEでショッピングをする」という集客目的のCMを期待していたと思います。
ところが、CM内容は「BASEに出店しよう」というもので、なんか違うと思ってしまったのです。
ちなみに、同じころ、楽天市場ではスーパーSALEのテレビCMをたくさん流して集客していました。
初CMということで、まずは知名度アップというところからスタートしているのかもしれませんが、集客を期待していたお店側としては、肩透かしをくらった感じかもしれません。
CMによって出店してくるお店が増えるということは賑わいが増す反面、すでに運営しているお店にとっては競合が増えることになります。
楽天やYahoo!ショッピングなど大手とは違ったニッチなマーケットをBASEで見つけたのに、そこで競争が始まってしまう可能性が出てくるわけですから、気分的には微妙かもしれません。
すでに成果を上げているショップとしては、集客を期待していたのに、競合店を増やすCMかよ!と思ったショップオーナーさんがいたのではないでしょうか(笑)
正直なところ、今、BASEにお客さんが押し寄せても、中途半端なお店が多くて、トラブルが生じて逆に評判を落とす可能性があるのではないかという気がします(2018年現在)。
無料でネットショップが持てるので、とりあえず作ってみましたという開店休業状態のお店がたくさんありますし、特定商取引法の表示すら守れてないショップがごろごろあります。
こういったお店に注文しても、商品が発送されなかったり、連絡すら取れない状況になっても不思議ではありません。
BASEに出店しているショップの底上げを図るには、もっと経験値の高い良質なお店に出店して欲しいことは確かだと思います。初心者オーナーさんが多いため、お手本になるショップがもっと必要でもあるでしょう。
BASEでは45万店を超えるネットショップが開設されているそうですが、単なるお試しや開店休業に近いショップが一定数ある現状では、お客さんに迷惑をかけてBASEの評判を落としてしまうことにもなりかねません。
何か月もショップオーナーのログインのないお店は、非表示にするような処置をとれば、相当数のお店が消えるのではないでしょうか。
今まで無料でネットショップが運営できたBASEですが、2017年9月からシステム利用料が徴収されるようになりました。
CMがオンエアできたりするところをみると、資金が潤ってきたということでしょうか。儲かっていることはよいことでしょうし、無料を謳いながら資金難でシステムが安定しないところよりずっといいです。
BASEは無料でお店が始められるというのは本当ですが、お店を作っただけでは意味がありません。売上から手数料を徴収するスタイルになった今、「無料でネットショップができる」という宣伝文句は、賞味期限切れが近いかもしれません。
BASEは、楽天市場やYahoo!ショッピングのようなショッピングモールを運営していません(執筆現在)。※BASEではネットショップ運営システムの提供が主で、モールなどでの集客を約束しているわけではありません。
モールの代わりとして、とりあえずスマホアプリで集客をしている感じですが、BASEに限らず通販系のアプリは、安定性に欠けたり、利用者側の操作不慣れなどもあって、評判がそれほどよくないと感じます。
有料化に移行した今、テレビCMを含む集客や販路拡大プロジェクト、セキュリティの向上、お客さんに迷惑をかけないための出店ルール改正も進めていってくれることを期待したいと思います。