小さいネットショップが電話に出られない理由と対応策

電話ショップオーナーの本音

ショッピングモールのレビューをみていると、「メール対応や商品発送は早くてよかったが、電話をしても出なかったので評価を下げます!」といったコメントを見ることがあります。

ネットショップが通常業務をしっかりしているケースで、電話に出ないからといって評価を下げられるのには、ちょっと厳しいかなと思うことがあります。

お店として何を優先しているかといえば、ご注文商品をお客さんに早く届けることだと思います。

電話に出る5分、10分を惜しんで出荷作業をしている光景を思い浮かべてみて欲しいです。

特に明日に届くように荷物を出すためには、18時~19時辺りが締切時間です。その前に出荷作業を終えなければならず、1分でも惜しいという午後~夕方の時間帯があります。

緊急性の高い電話連絡であれば別ですが、「今日、商品出荷されますか?」とか、「いつ届きますか?」といったような受注メールですでに伝えているはずの内容を繰り返し聞いてくるお客さんが多いので、電話は後回しになる傾向があるかもしれません。

電話に出ないから対応悪という評価をする前に、お店側はお客さんを無視して電話に出なかったのではなく、お客さんの注文を早くお届けするために、電話より出荷作業を優先させたという実情があることを知って欲しいと思います。

以下では、小さなネットショップと電話について考えてみたいと思います。

 

小さいネットショップは人員が足りない

大手の通販ショップは電話受付専門の社員がいます。

テレビの通販番組を観ると「テレフォンオペレーターがお客様のお電話をお待ちしております!」みたいなテロップが入って、たくさんのオペレーターが電話を受けている様子が映し出されることがあります。

大手ではなくても、それなりに人員がいれば受注担当がメールと電話でお客さんから注文やお問合せを受けているところは多いです。

しかし、個人~少人数で運営している場合、電話に出ている時間が無い!というところが多いのではないでしょうか。

暇な時であればいいですが、出荷時間が迫った午後~夕方の電話なんて出てられない繁盛店さんもたくさんあると思います。

電話に出ると、お客さんによっては15~30分近く拘束されることがあります。しかも、こちらから電話を切ろうとすると失礼になってしまうので、なかなか電話が切れません。

こうなると、電話に出たら最後、一部のご注文は出荷時間に間に合わない可能性があります。

 

電話連絡は割り込み

普通のネットショップでは、注文やお問合せがきた順番で対応していると思います。

私のお店では、注文やお問合せが入るとシステムの画面に順番に並んでいくので、それを先着順で一つずつ対応していきます。

お問合せやメールに関しては、タイトルを読んで緊急性を要する場合であれば、優先して対応することはありますが、基本、順番を大切にしています。

電話に関しては、その場ですぐに出なければなりません。そうなるとその電話の案件が優先されて、言い方は悪いですが「横入り・割り込み」の状態になり不公平感があります。

これでは、ルールを守ってメールでお問合せ等してくれているお客さんの応対は後回しになってしまいます。

お客さんの中には、早く返事が欲しくて電話をしている場合が結構あるのですが、それが割り込みになっているイメージは少ないかもしれません。

人員がいれば問題ありませんが、一人ですべてやっているようなショップでは、割り込みの電話によって他のお客さんのメール返信が遅れたり、さらには出荷が遅れるケースもあるわけですから、これはかなりの困ったことになることがあります。

 

自分で首を絞めてしまうお客さん

すでに注文されているお客さんから「明日には届きますか?」といった電話でのお問合せが時々あります。

お問合せというより、早く発送して欲しいという催促に近いプレッシャーを感じさせられることがあります。

出荷時期等の案内はメールでお送りしているので、お客さんにはいつごろのお届けになるかは大体分かっているはずなんですが、特別扱いして欲しい方とか、心配性な方が時々いらっしゃいます。

急ぎのお客さんもいて、何とか今日中に出荷してくださいとごねられるケースがあります。こうやって電話で話をしてなければ間に合うかもしれないのに・・・と思うことがあります。

わざわざ電話して自分で状況を悪くしているというか、出荷を遅らせていることに気がついてもらえないのは残念なことです。

 

作業の中断がミスを発生させる

電話専任のいない小さなネットショップでは、電話がかかってくると、今している仕事を中断しないといけません。

どんな仕事でも共通していると思いますが、邪魔が入るとやらなければいけないことをふと忘れてしまうことがあります。

こうなると作業ミスが生じます。

お客さんに送るメールを打っているときには、お伝えしなければならないことを忘れてしまうことがあります。

出荷作業中であれば、納品ミスが発生する可能性があったり、しっかり商品同封したかな?納品書やご案内書類は入れたかな?なんて記憶をたどってしまう事態にもなります。

電話によって中断されることでミスを誘発されてしまうのです。

 

せっかくのアイディアが消えていく

色々なアイディアが浮かんでいるときに電話がかかってくると、がっかりしてしまうことがあります。

せっかく面白いアイディア浮かんで、それを書き留めたり、新しいサイトを作っているようなときは、うきうきしています。どんどん色々なプランが浮かんできて楽しいです。

こういったアイディアは、決まった時間にやってくるものではないので、「そのとき」を大切にしないといけないです。

でも、電話がかかってくると、それが中断されてしまいます。その後には色々なアイディアが頭の中から消えてしまっていることがあります。これは非常に悔しいです。

優れた人なら、中断されても問題ないかもしれませんが、私の場合は集中が途切れるとまったくだめです。

創作作業をしているお店のオーナーさんも同じようなところがあるのではないでしょうか。

 

子供がいる環境で仕事をしている

自宅で小さなネットショップを運営する人達が増えていますが、その中には小さなお子様がいらっしゃる方もいるでしょう。

電話がかかってきてもお構い無しで、子供たちは騒いだり、時には泣いたりして、電話に出ているどころではないこともあると思います。

電話で話をしているときに限って、足にまとわりついたりする子供さんもいますね。お客さんから電話がかかっている状況で、子供をあやしながら話をするというのは大変です。

電話口で謝罪をしなければならないようなときは、近くにいる子供さんが心配そうな顔になったり、悲しい思いをさせてしまうことがあります。

 

クレームの確率が五分五分

私のお店では、「お問合せはメールでお願いします」といった案内をホームページやメール等でお伝えしています。

普通のお客さんであれば、案内にそってメールや問合せフォームを使って連絡してくれます。

でも、そのお願いを無視して電話をしてくるお客さんがいます。

この時点で、ルール無視のせっかちなお客さん、または、癖のあるお客さんで厄介になるケースは想像できるでしょう。その中でも、クレーム電話がくる確率は五分五分といったところです。

言った言わないのクレームが生じるもの大体が電話ですから、電話はやっかいです。また、電話は予定外の時間を取られるので、忙しい時間帯だと特に憂鬱になります(涙)

 

ネットショップへの電話の多くは営業電話

これはお店によって違うかもしれませんが、営業の電話が多いところも結構あるのではないでしょうか。

売上げ管理のソフトウェアの導入提案、ショッピングモール出店への勧誘、ネット回線の切替、SEOで集客を上げるためのシステムの売り込みなど、必要ないものばかりです。

必要であれば自分で探しますし、怪しい電話勧誘してくるような会社に発注なんてしません。こんなのに引っかかる人いるのか?と思うくらい迷惑な電話ばかりです。

大手のショッピングモールに出店すると営業電話の数がぐーんと増えます。さらに、雑誌や新聞に掲載されると1~2週間は一日中ず~っと電話が鳴っています。

マニュアル化されているので、こう言えばこう返すといったフローで対応されて、なかなか電話が切れないことがあります。

ヤフー・グーグル・楽天・ソフトバンク・NTTなどの関連会社を装ったり委託されていると言って電話をしてくる会社もあって、ネットショップを運営している側としては、商売で関わりにある会社の名前を出されると、真偽がはっきりしない限り強く電話を断れないこともあります。

ビジネスという手前、強引に切れないこともあるので、適当に聞いて「電話ではよく分からないので、メールで資料送ってください」と言って電話を切りますが、時間を取られますし、きりがありません。

 

あんしん対応付きの電話を利用する

一時期、営業電話が余りにも多く面倒になって、あんしん応答付きの電話機に切り替えました。

こういった電話機は、「あんしん応答」というボタンがあって、着信があったときにそれを押すと、電話をかけてきた人に「お名前をおっしゃってください」というようにメッセージが流れます。

お名前を先に言ってもらって、電話を受ける/受けないを決めることができるのでとても便利です。

たとえば、「ヤマト運輸の○○です」と名乗ってくれると、配送に関して何か連絡があるんだとすぐ分かり、安心して電話を受けられます。

営業電話で「○○通信会社のSと申します」と名乗られたような場合は、通話拒否ボタンを押せば「この電話はおつなぎできません」と自動で応答して電話を切ってくれます。

無言だったり、「私です」(誰?)という人には、ボタン一つで簡単に拒否できます。

ただ、学習している営業の人がいて、お客さんを装う人もいるのでそれは避けられないです。

お客さんの場合は、「昨日注文した○○です」と名乗ってくれると分かりやすいですが、こういった機能に慣れていない方は単に電話を切ってしまって、その辺りの使い方は微妙です。

あんしん対応付きの電話機は家庭用なので、本来であれば、ショップ名や会社名で受け答えするところ、いきなり名前を言ってくださいというメッセージが流れるのは、ビジネス的には余り推奨はできないかもしれません。

あんしん対応付きや迷惑電話防止対策をした電話機をビジネスで使うことに違和感を感じるかもしれませんが、不要な営業電話で時間を無駄にしたくありませんし、全く電話に出ないよりはマシかなことがあると思います。

通常は普通に電話応答をしていて、営業関連や不審な電話が増えたり、クレーム絡みの嫌がらせのような電話がくるようになったときに、この機能をONにするといった使い方でもよいかもしれません。

機種によっては、「この通話は録音されます」という案内(警告)が流れたり、自動録音、ボイスチェンジ、着信拒否といった機能が付いているので悪質なクレーマー対策にもなると思います。

 

忙しいときは留守番電話にしておく

忙しい時間帯、創作作業をしているとき、営業電話が多いときなどは、留守番電話にしておく方法があります。

留守番電話であれば、応答メッセージを自分で録音して、お店を名前を名乗った上で、お電話に出られない理由とメール連絡してくださいといったことを丁寧に伝えることができます。また、緊急の案件であれば、メッセージを残してもらうこともできます。

ただし、営業時間内で留守番電話にしておくと、お客さんの中には何で電話に出ないんだ!と怒る方がいます。何度電話してもお店側が出ないような状況では、留守電の録音中に「おいでろ!」なんて怒鳴ってくる人も稀にいます。これでは、不必要にクレーマーを作ってしまいます。

留守電で録音メッセージを受けてしまうとそれに対応しなければなりません。忙しいから出荷作業が終わってから対応しようと思っていると、夜間や翌日になってしまうお店もあるでしょう。対応に時間がかかれば、お怒りになるお客さんが出てきます。

留守番電話でメッセージを受けないオプションがあればそれを選択することもできますし、わざと録音を一杯にしておいてそれ以上録音できないようにしておけば、お客さんがメッセージを残せないので、案内専用の留守電にすることも可能だと思います。

一般に、家庭で使われる留守番電話機能でお店が対応するというのは、どこかで無理が出てくるかもしれません。

 

電話連絡を減らすための対策

特定商取引法の記載等で、ネット上で電話番号を掲載している場合は、お客さんは電話連絡してもよいと思っているでしょう。

電話連絡が困る場合は、電話番号が掲載してあるところに、「お問合せは、メールまたは問合せフォームをご利用ください」といった案内を加えておいた方がよいでしょう。

他にも、「営業電話は固くお断わりいたします」とか「ご注文の取り違いなどのミスを防ぐために電話対応はしておりません」といった案内を掲載しているショップさんもあります。

気をつけたいのは、電話対応しない分、メールは迅速に返信する必要があるということです。

電話してくるお客さんの中には、お店にメール連絡したけど返信が無いということで電話してくる方がいます。

メール連絡は遅いし、電話には出ないとなると余計なクレームに繋がってしまいます。

全く電話対応しないというわけにはいきませんので、忙しいときは留守電を使うのも仕方ないときがあるかもしれません。

ただ、留守電は別のクレームに繋がることもあって、利用は慎重にした方がよいかもしれません。

 

電話代行・秘書代行を使う

一人や少人数で運営していると電話になかなか出られないといったことがあります。また、留守電対応はお店としては対応がよくないと思われてしまうことがあります。

そこで、電話対応に困っているネットショップでは、電話・秘書代行を使っているお店が増えているそうです。

電話代行や秘書代行は、会社によってサービスが多少異なりますが、お客さんからの電話を代わりに受けてくれて、その内容をメールなどで報告してくれるという便利なものです。

ショップ名や会社名を名乗って電話を受けてくれますので、お客さんからしてみればお店に電話をかけているような応対になります。

こういったサービスを利用すると電話対応で振り回されることが無く、電話に出ないといってお店の評価を落とすこともなくなると思います。また、営業電話は丁寧に断ってくれたりもします。

料金はサービス内容にやコール数によって異なりますが、月額3,000円くらいから利用ができます。

自社社員のように、商品の問合わせに答えたり電話注文を受けてくれるような電話代行サービスもあります(事前の打ち合わせ等が必要です)。

電話代行をフルで使う場合はそれなりの金額になってきますが、お店で一人スタッフを雇ってゼロから指導することを考えたら、電話対応のプロを必要なときに契約できるのでとても便利ではないでしょうか。

各社によって、提供されるサービスのレベルや内容が異なるので、自分のお店にあったものを調べてみてください。

コースや料金体系は様々で、基本料+1コール180円(電話を受ける度にに180円かかる)といったもの、基本料に20コール/月まで追加費用無しといったものがあります。

基本、営業電話や勧誘電話は丁寧に断ってくれて、1コールとしてカウントされない会社が多いと思います。電話代行で顧客対応をやろうと思う前に、単に営業電話を断ってくれるだけでも、作業効率が上がって助かるというお店は結構あるでしょう。

転送電話で電話代行へ繋ぐ方法があるので、忙しいときだけに限り電話代行サービスへ転送する設定にしておくことも可能です。たとえば、午前中は電話対応できるけど、午後は出荷作業が忙しくて無理というときには、柔軟に対応できます。

電話代行で受けた電話の内容は、メール連絡してくれるので仕事の妨げにそれほどなりません。緊急の案件に限り、担当者の携帯電話に連絡してくれるといった設定もありますので、何かトラブルがあればすぐに対応できると思います。

電話代行と一言で言っても、各社の電話スタッフのスキルが異なります。そこで、無料お試し期間がある会社で、試用期間を得てから採用されることをおすすめします。また、好きなときに解約できるように、長期契約の必要のない会社を選んだ方がよいと思います。

 

電話代行サービスの参考サイト:

渋谷オフィス:スタートプラン(3000円/月)からエグゼクティブプラン(25000円/月)まで5つのプランがあり、幅広く対応できる電話代行サービス。スタートプランではお客さんの用件や連絡先を聞くなど20コール/月が含まれる(営業電話・間違い電話はコール数に含まない)。超過のコールは180円/件。新人スタッフは6ヶ月間(520時間以上)の研修期間を設けるなど品質にこだわっている。10日間の無料お試し&30日間の全額返金制度あり。

電話代行:MKサービス:月額約3000円から利用ができる電話代行サービス。スモール・ハーフ・スタンダードの3プランがある。最安プランではお客さんの用件や連絡先を聞く程度のベーシックな電話対応で20コール/月が料金に含まれる(営業電話はコール数に含まない)。超過のコールは138円~148円/件(プランによる)。クレームや嫌がらせ電話などの対応は別料金。10日間の無料お試しあり。

日本最大級のバーチャルオフィスKarigo :バーチャルオフィスと電話代行・電話秘書サービスが利用できるサービス。東京の一等地をはじめ、札幌から沖縄まで40箇所以上でバーチャルオフィスの契約が可能。法人登記や開業届出にも利用できる住所貸し&荷物受取代行のシンプルなプランに加えて、電話代行が付いたプランもある。

 

できないことは無理しない

ネットショップの仲間内で話すときに、「うちのお店はネットショッピングを提供しているのであって、テレフォンショッピングではない(笑)」という話題になることがあります。

お客様サービスという観点では、「ネットショップでも電話対応はしっかりすべきである」というのが建前ですが、本音で言えば、メール連絡ができないようなケースを除いて、電話対応は必要最低限にしたいです。

従来の電話でやり取りする通販はそれはそれでよいと思いますが、ネット環境を生かして運営するネットショッピングへの理解度がお客さんにもっと浸透して欲しいと思っています。

近年は、メール対応だけではなく、チャットで簡単にお客さんとやり取りしたり、チャットボット(予め質疑のパターンを登録しておく自動応答)で無人による受け答えできるシステムの利用も増えています。

 

電話対応をしっかりした方が、お客さんの信頼に応えることができるのは確かです。

しかし、小さなネットショップでは、人員の問題、時間の問題などがあって、何でもお客さんのご要望にお応えできるものではありません。

一杯一杯になってしまって、電話がかかってきただけで硬直してしまうというオーナーさんの話を聞いたことがあります。

そこまで自分を追い込まないで、できないことはできないと予めお客さんに伝えておいた方が、トラブルを回避できたり、傷口を広げないですむ場合があります。

また、一人事務員を増やすよりは安い料金で電話代行を使ったり、機能豊富な電話機を導入すれば、自分の負担が大きく減って、その分仕事に集中できて稼げることもあります。

お客さんの中には電話対応でお店を評価する方がいますが、本来、ネットショッピングはホームページやメールなどのネット環境を生かして低コストにするから、商品の値段が安くなったり、迅速に注文商品を発送できるといった利点があるはずです。

テレビ通販やカタログ通販からネットに参入してきた会社の場合は、ネットも電話もどちらもやるという方式だと思いますが、ネットから参入したお店はメールが中心になります。

電話対応を軽視してもよいというわけではありませんが、主はネットであって、その利点を生かすことが小さなネットショップの活路だと思います。

もちろん、お店の中には電話対応に力を入れて、お客さんとの距離を縮める方法で繁盛するショップさんもあると思います。特に年配のお客さんをターゲットにしている場合は、電話は必須になると思います。

どうやってバランスを取るのかは、運営コストを始め、お店で扱う商品や販売スタイルによりますのでじっくり検討してください。

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