アマゾンが様々な分野の通販に進出してきています。小さなネットショップはどうやって生き残っていけるでしょうか?
雑誌やネットの記事でもアマゾンの勢い、そして脅威を扱ったものがたくさんあります。
ジャパネットたかた、ヨドバシカメラ、ローソン、など名だたる企業がアマゾンに脅威を感じているそうです。
・ジャパネットたかた社長“背水の陣” アマゾンの脅威、脱家電を急ぐ (SankeiBiz 2012.12.23より)
・コンビニ業界に淘汰の足音? 「アマゾンは怖い」ネットの脅威、成長鈍化も (SankeiBiz 2012.12.29より)
・ヨドバシカメラが書籍を当日無料配送 来年2月から、アマゾンに対抗 (SankeiBiz より)
利益率が非常に少なくても運営できるアマゾンは、多くのネットショップの脅威です。
ある雑誌の記事で読みましたが、アマゾンはアメリカの会社としてアメリカで納税しており、税金は一部しか日本に納めていないそうです。
商取引はアマゾン(アメリカ)が行っていて、アマゾンジャパンは単なる支店というか出先機関のような仕組みで、結果、日本で販売していても収益のほとんどはアメリカに集約されているようです。
昔、ある有名な日本人歌手&音楽プロデューサーがハワイに会社を設立して、そこで税金を納めていました。日本のファンに支えられて稼いでいるのに、税金をアメリカに納めるのはおかしい!と非難を浴びたのですが、その後、自ら没落していきました。
アマゾンがこの芸能人と同じ道をたどることはないでしょうが、もし多くの方がこの現実を知ったら、また、行政がアメリカで収めるのはおかしいだろうと言い出したら、何か変わるかもしれません。実際、日本も含め各国では、ネットでの商取引に関する税の仕組みを変更しようとしています。
私たちにとっては、税金は国内規定どおりに支払わないといけないですし、消費税値上げや増税もあります。
とても同じ土俵でやっているとは思えない分、アマゾンはさらに脅威になります。
価格が非常に安く、送料が無料(一部除く)。大量販売でそれぞれの商品の利益が少なくても、数売って最終的には十分な利益を上げられるのがアマゾンです。
私が販売している商品でも3割以上安く売っているケースがあります(ただし、製造年や品質よっても価格が異なるためこのあたりは不明)。
アマゾンに価格で対抗するのは非常に難しいと思います。中途半端に値段を下げると墓穴を掘ることになるかもしれません。
そうなると価格以外で対抗するしかありません。
そこで、アマゾンにできないことって何だろう?と考えるにいたります。
アマゾンは私もよく利用しますが、はっきり言って顔の見えないお店です。誰がどのように運営しているのか分かりません。
経済雑誌などには色々内部の情報が出たりしますが、サイト自体にはアマゾンって誰?という感じで運営側の顔が見えません。
ネットで検索してみると、批判的な意見も一部あります。
その一つはカスタマーサービスの未成熟さが露呈したものだと思います。
余りにたくさんの商品を扱っているので、専門家がおらず、その時々のメーカー頼みで、何かあったとき迅速にサポートできいのではないかという不安があります。
ただ、多くの方は、たくさん商品がある、安い、送料が無料、レビューが豊富というところで注文していると思います。
多少品質や対応に不安があっても、値段が安いから妥協するというビジネススタイルは、少しでも安く買いたいお客さんには嬉しいショッピングサイトです。
では、こだわりのあるお客さんはどうでしょうか。
私のお店もそうですが、いわゆる専門店という形式はこだわりのあるお客さんが集まるところです。
どうしたらこだわりのあるお客さんが集まるのか?という疑問では、お店側に豊富な商品知識があること、そして、こだわりのお客さんをうならせる品揃えがあることでしょう。
大量販売店では、一点モノのような商品や品数が少ない商品は余り向きません。よっぽど話題性があったり、高額でそれだけで結構な利益が出るのであれば扱うかもしれませんが、たくさん売って何ぼの大量販売システムには販売コスト高になってしまって向かないでしょう。
ネットで何かを買ってトラブルをかかえたくないお客さんは、アマゾンで注文しない可能性があります。
専門店では商品知識があり、何かあったときに適切なサポートをしてもらえるという安心感があります。それをアピールすることも大切でしょう。
プレゼントに対応したり、プレゼントの相談に応じてあげられるお店作りも大切でしょう。
アマゾンでもプレゼント包装をするオプションがありますが、どんな感じで包装してくれるのか、どんな気遣いがあるのかというところは分かりにくいです。
大量販売の常識ですが、商品や箱にキズがないかとか、細かいところまでチェックしてくれることは無いだろうと思います。流れ作業で、機械的に商品に包装をする大量販売形式ではこういったところは難しいでしょう。
小さいお店は小回りがききますから、商品チェックを厳しく行っていること、プレゼント包装を丁寧に行っていることなどをアピールすることで、お客さんに安心感を与えてあげられると思います。
最新情報や新しい商品の情報をお客さんに伝えることも大切です。
アマゾンでは、お客さんがたくさんの商品の中から気に入った商品を探す楽しみがあると思いますが、アマゾンからお客さんに直接アプローチしてくる形式は、一部話題の商品を除いて、少ないと思います。そこで、アマゾンを利用されるお客さんの多くは、気になったときに商品を探すという形が多いでしょう。
小さなネットショップ的な販売方法としては、こまめにお客さんに情報発信していくという形が大切になってくると思います。
一番代表的なものはメルマガとブログでしょう。ツイッターやフェイスブックもいいです。
こんな商品を入荷しましたよとか、セールやっていますという一般的な情報でも、その商品に興味のある方にとっては気になるものです。
これからお店を始められる場合は、アマゾンで扱っていない商品、または扱い難い商品を選んでいくことも、生き残りの法則になるかもしれません。
逆にアマゾンでも扱っているから売れるだろうという考えも無いわけではないのですが、それなりに販売方法にオリジナリティやアイディアが必要になってくると思います。
アマゾンは個人でも出品できますので、価格競争に巻き込まれない商品であれば、人が集まるアマゾンの中で販売して共存することも可能でしょう。
アマゾンは脅威です。でも、小さいがゆえにまだ個人ネットショップが生き残っていく方法はあります。
近所にショッピングモールやディスカウントストアが出来たから潰れてしまう小売店がありますが、そんな中でも生き残っていくお店は結構あります。
以前、ユニクロがネット販売に初参入するとなったとき、Tシャツやトレーナーなど衣類関連を扱っているお店は戦々恐々としたそうです。実際に潰れたお店もありましたが、生き残ったお店も多かったです。
最近では、スーパーがネットに参入してきて、ネットの食品店やお惣菜店などは厳しい局面を迎えているようです。でも、生き残っていくお店は確実にあります。
お客さんの心に響く商売をして、お店のオリジナリティを出しながら進化していけば生き残っていく道はあると思います。