2013年、プロ野球でせっかく楽天が優勝したのに、優勝セールで不正があって残念な賑わいになっています。
楽天:20店舗の商品1000点に Vセール不当表示
プロ野球楽天の日本一を記念したインターネット仮想商店街「楽天市場」の優勝セールで不適切な価格表示があった問題で、楽天は7日、不適切表示が約20店舗の商品約1000点に上る可能性があることを明らかにした。この20店舗は閉鎖した。楽天は全店約4万2000店舗を対象に調査を開始し、半月後をめどに調査報告をまとめる。
(中略)
問題があったのは今月3日夜から7日未明まで開催していた優勝記念セール。星野仙一監督の背番号77にちなんだ「77%引き」などが売りのセールで、対象商品は店舗が事前に楽天側に申請する仕組みになっていた。ところが、一部の店舗が独自判断でセールを実施し、大幅な値引きをしているように見せかけて販売していたという。
~毎日新聞 2013年11月07日より~
星野監督の背番号77にちなんだ77%オフセールでしたが、星野監督にとっては迷惑な話だったかもしれません。
楽天のショップにしても77%オフって何?来期は星野監督の背番号を35番くらいに変えてくれよ!って思ったかもしれません。
根本から言って、77%オフって普通は無理でしょう。ショッピングモールを運営している大手がそれを知らないはずがないです。
商品原価に近いか、それ以下です。普通なら大ブーイングですが、それが言えないんです。
だって、楽天は一大ショッピングモールで強すぎるんです。。。
楽天から「うちが気に入らないならどうぞ他に行ってください」って言われても、楽天に匹敵する引越し先はないんです。総売上高で見れば、ヤフーショッピングでも現時点では楽天にはかなわないんです。
他のお店がセールをやっている以上、自分のところもやらなくてはならなくなるのがモールの厳しいところです。
自分のお店がセールをやらなければ、お客さんがまったく来なくなるからです。
楽天のショップは、非常に価格競争の激しい世界にいるので、常にぎりぎりの割引で売っている所が多いです。楽天が優勝したからといって、店舗側にそれ以上の負担させることは自爆を意味します。
そこで、今回のように通常価格を吊り上げる偽装してまで、値引きセールに便乗してしまったところがあったのかもしれません。
楽天では「スーパーセール」といった大きなイベントがありますが、優勝セールはその1.5倍のお客さんが来て過去最高のアクセスだったそうです。
楽天本社では笑いが止まらなかったでしょう。価格偽装が発覚するまでは・・・・。
楽天優勝セールを謳うのなら、楽天側が負担をしてやるべきものだったかもしれません(一部、高額商品は宣伝効果が高く、楽天での一部負担があったようです)。
セブンイレブンでは、おにぎり等の割引セールなどをCMで大々的に告知していることがありますが、それらの割引を店舗オーナーが出費するのではなく、セブンイレブン本社が負担しているという話を聞いたことがあります。
楽天に出店しているショップは、楽天側に契約料や販売手数料等の名目でたくさんのお金を払っている「楽天のお客さん」でもあります。
「優勝セールをやるから77%オフで商品を出してください」というよりは、出店店舗から楽天が買い取る形で目玉商品を用意したり、優勝セールの割引分をポイント等で楽天側が負担するような形でセールを盛り上げれば、今回のような問題はおきなかったのかもしれません。
楽天は、出店費用、売上げのロイヤリティ、ポイント、決済費用等の負担があって、非常にお金のかかるショッピングモールです。価格競争も厳しく、楽天の集客を期待して、薄利多売で売っているお店が多いのも特徴でしょう。
「楽天は大変だよ」と恨み節をいっても、今一番勢いがあって集客効果のあるモールが楽天なんですから、出店せざるを得ないところが多いのも事実です。
しかし、楽天の一人勝ちのマーケットでは、多くのお客さんは楽天に流れるものの、出店ショップは無理な割引やセールで疲弊するばかりです。
こういった不祥事をきっかけにして、楽天以外にもショッピングモールができ始めてもいいころかもしれません。
一昔は、ソニー、NEC、パナソニック関連の会社などがショッピングモールを立ち上げましたが、結局、楽天の一人勝ちで撤退していきました。
ネットショッピングやシステム環境が整った今、もう一度、こういった複数のショッピングモールやネットショップの販路拡大の流れができてこないかなと願っています。
ヤフーショッピングが出店費用を無料にして、モールを大きくしようとしていますが、それも一つの流れになるのかもしれません。
少し話が飛躍しすぎたかもしれませんが、楽天に出店している多くのショップさんの名誉のためにいうと、楽天市場にはネットショッピング界を牽引しているすばらしいお店がたくさんあります。
楽天優勝セールで価格偽装を行ったのは、出店店舗のごく一部のようです。それに、価格を偽装していたショップの中には、この種の偽装は今に始まったことではないような話が出てきています。
また、今回の不祥事で楽天では該当店舗を強制閉鎖しましたが、ヤフーショッピングにも同時出店いるお店があって、そちらでは普通に営業していたりして反省の色が全く伺えないようなケースもあります。そういった意味では、マナー違反のショップの尻拭いに振り回される楽天に同情する点があるかもしれません。