S急便にさようなら

グッバイ ネットショップの商品配送

長らく契約していたS急便をやめることにしたときのお話です。少し前のことになりますので、現状は多少変わっていることもありますが、宅配会社選びで迷っていたり、今現在、トラブルを抱えているようなことがあれば参考にしていただければ幸いです。

さて、S急便では荷物をたくさん出すことで、送料を大幅割引してくれることが魅力でした。

割引送料は確かに魅力ではあったのですが、S急便の仕事が酷くて、送料の利点を勘案しても、もうこれ以上は耐えられないと思う日々が続いていました。

 

S急便のトラブルは、ネットショップのクレーム処理に関連して何度か取り上げていますので、「ネタ」としては面白いのですが、実際にトラブルが起こると非常にストレスでした。

S急便を利用する前、10年間以上郵便局で荷物を出してきましたが、クレームはほぼゼロでした。S急便に切り替えてから、お客さんから毎月のように様々なクレームが寄せられてびっくりしました。

ここまでクレームが上がっているのに、それでも宅配業界の大手っておかしくない?といつも疑問に思っていました。

 

大きな問題に至らなくても、

「配達員の態度が悪いからS急便はやめてほしい」

「送料が高くても良いからヤマト運輸に変えて欲しい」

「前のように郵便局に戻して欲しい」

といったようなお便りも常連さんから寄せられてきました。

 

少し前のネット業界の主流は、いかに送料を安くするかというところに注力しており、多くのネットショップがS急便を利用していました。

迷いながらも、「S急便を外して送料を上げる事態になれば、きっと売上げが下がるだろう」と思うとS急便を外せませんでした。

しかし、実態としては一見さんのお客さんは増えましたが、常連のお客さんをたくさん失ってしまったと思います。

 

コスト重視にした結果、S急便に関するクレームで散々時間を取れ、モチベーションも下がりまくりでした。

毎日、たくさん荷物を出しても全く楽しくないのです。

ちゃんとお客さんに届くかな、また、クレームがくるのかな、なんて思って出しているわけですから楽しいわけがありません。

しかも、集荷に来るS急便ドライバーの態度も悪く、さらにストレス溜まりまくりでした。

 

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S急便に変えてから営業所止めを希望するお客さんが増え始めた

S急便に切り替え始めた後、常連のお客さんが営業所止めを希望されることが多くなりました。

忙しいお客さんは、自宅で受取るより営業所や支店で受取るのが便利だろうと当初は思っていました。

現実は、S急便の配達員のマナーが悪すぎるので、顔も合わせたくなくて、わざわざ営業所で荷物を受けとってくれているお客さんが多いことに大分経ってから気がつきました。

そんな中で、「クレジットカード決済で注文して、営業所止めにして荷物を受取る」という方法はカード詐欺の常套手段であったため、営業所止めの要望をお断わりしてしまったことが何度もありました。

S急便は、ヤマト運輸や郵便局に比べて支店が極端に少ないので、お客さんによっては、車で1時間もかけて支店に荷物を取りに行ってくれている人もいました。

今から思い返すと本当に申し訳ないです。

 

電話が繋がらないS急便

S急便でよく批判されることですが、支店に電話しても電話が通じないことがよくありました。

支店に実際行ってみると分かるんですが、結構、クレーム対応に追われています。

クレーム対応は時間がかかりますから、 他の電話が受けられない事態にもなるでしょう。

私の良く通った支店では、支店内のスタッフはそれなりにいますが、電話に出るのは受付の2~3人という体制であったため、電話対応がひどい状態でした。

18時以降では受付に一人しかいないことが多く、これではお客さんが帰宅後に電話を掛けてくるときに全く裁きれないと思いました。

法人窓口受付と一般の電話対応を一緒にやっているときもあり、無理があるなあとよく思ったものです。

 

また、ヤマト運輸と違いS急便は支店が少なくて、私の住んでいるところは人口が100万人くらいですが、市内に支店はたった1つしかありません。

ちなみにヤマト運輸の営業所は20くらいあると思います。私の事務所から車で5~15分圏内に3つ営業所があります。郵便局は言うまでも無く地元に密着しており、いたるところにあります。

S急便は業務を一箇所に集中することでコストを下げているようですが、顧客サービスを考えると全くうまくいっていないと感じました。

 

電話は繋がらないし、支店に行くには遠いとなれば、注文したネットショップに助けを求めてくる気持ちはわかります。

私のお店でも、S急便に連絡がつかないと言って電話されてくるお客さんがいて、そこでS急便のクレームを受ける羽目になることが度々ありました。

ところが、こちらでもS急便に電話がなかなか繋がらないので、状況把握やクレームをS急便に伝えるのも一苦労なのです。

電話が繋がらないので、ファックス専用の書式を用意して何度も送っていた日々を思い出します。 

これでは、送料で節約したからといっても、節約した分以上にS急便の代わりにカスタマーサービスをやらされているようなものでした。

 

配達ドライバーへの電話連絡も面倒

S急便では支店に電話をしてやっと繋がったと思っても、配達ドライバーから直接電話させますと言われて電話を切られてしまうことが珍しくありません。

では、配達ドライバーが電話対応をしっかりできるかといえば、これも全然ダメといわざるをえなかったです。

一応電話をかけると折り返しの電話がくるのですが、配達中ということもあって折り返しの電話がいつ来るか分かりません。お客さん側が電話を待っていられないこともあり、これが荷物の受取拒否へ繋がることもあったようです。

お客さんの中には、対応の悪い配達ドライバーと話したくない方もいて、お店に電話をしてくる人もいました。

状況確認のためS急便に連絡を取るときには、「お客さん お店 S急便支店 配達ドライバー S急便支店 お店 お客さん」とう連絡になって、本当に面倒で時間もかかりました。

ヤマト運輸の場合、「お客さん 配達ドライバー」 または、「お客さん 配達支店 配達ドライバー お客さん」で解決です。お店は関わらなくてもよいのです。本来、配送は任せているわけですから、こうなるのが当然でしょう。

 

荷物の未配達や受取拒否はS急便のせい?

荷物を受取ってもらえないとき、多くのケースでは無責任なお客さんを批判したい気分になっていました。

しかし、お客さんと話をするとS急便のドライバーと揉めているケースがあることが分かりました。

あるとき、S急便から「お客さんが不在で荷物が配達できない。お店からお客さんに連絡をして欲しい」と依頼が来ました。

こちらとしては、「また荷物を受取ってくれないお客さんがいるのか」と残念に思いましたが、お客さんと話をしたところ、「時間指定をしても違う時間帯に来て不在票を入れていく。こちらの言うことを無視してばかりいるので、もう受取りたくない!」と怒られてしまいました。

この内容をS急便側に伝えると、「わかりました。調べてみます。」と言ったきりでその後のフォローはありませんでした。

結局、発送した荷物は保管期限が過ぎてしまい、S急便からは荷物が返送されてきました。

お客さんが受取拒否をしたり、配達ができなかった場合は、お店側が発送と返送にかかった往復送料を負担しなければなりません。

納得のいかない私は、「配達員が問題を起こしているのであれば、お店が送料を負担するのはおかしい」とS急便にクレームを入れましたが、調べるといった後、またフォロー無しです。当然、翌月の請求にはこの送料が加算されていました。

荷物受取拒否で困っているお店は結構あると思いますが、必ずしもお客さんが悪いわけではないという事実がこういった例からも明らかでした。

このように、お客さんが荷物を受取ってくれないので、S急便からお客さんに連絡をして欲しいとお店側に依頼してくるケースが毎月のようにありました。

配達員の不手際に加えて、S急便は支店が極端に少ないので、ヤマト運輸や郵便局のように近くの営業所や窓口で受取ることが難しいこともあります。

支店や営業所が近くにあれば、自分の都合のよいときに取りに行けます。もし、配達員と顔を合わせたくないとしても、荷物の受取が可能です。でも、S急便ではそれもできません。

少なくとも私のお店では、ヤマト運輸と郵便局(ゆうパック)で出した荷物が送り返されてくることは、ほぼゼロといってもいいくらい珍しいことですから、S急便の問題は深刻だったと思います。

 

ウェブ集荷受付サービスを使わせたくないS急便

電話で集荷依頼をするのは面倒なので、S急便の「ウェブ集荷受付サービス(WEBトータルサポート)」という集荷依頼ができるシステムを使っていた時期がありました。

このウェブ集荷受付サービスは、ネットから集荷依頼ができるもので、ホームページから日付や時間も指定できる便利なものです。

しかし、これを使い始めたところ、S急便の集荷ドライバーから、「本社から週に2回以上使わないようにしてくれ」と言われたというのです。

「システムがあるのに、使えないというのはどういうことですか?」と聞いたのですが、本社からの通達なのでそうしてくださいというばかりです。

大体、週二回しか使えないとか中途半端でおかしいことは明らかです。本社に聞いたら「そういった指示はしておりません。何か聞き間違いではないですか?」と言われました。

想像の域を出ないのですが、ネット集荷依頼をすると「お店→本社→支店→配達ドライバー」というように連絡される流れがシステム的に面倒なものだったのかもしれません。

私の良く通っていたS急便の支店では、ネット環境が整っているとはいえない状況で、ファックスの多用がすごかったです。

ひょっとしたらネットで集荷を受付けてもファックスなどで各支店に連絡を流していたのでは?と勘ぐってしまいました。それならかなり面倒でしょう。

 

S急便のドライバーがウェブ集荷受付サービスを使わせたくないもう一つの理由は、集荷時間の交渉ができないこともあったのではないかと思いました。

集荷の依頼は、配達ドライバーに直接電話するようにお願いされていたのですが、電話では集荷時間の「交渉」がありました。

こちらで16~17時頃に来てくださいと依頼した場合、そのドライバーが違う地域で配達していたり忙しかったりすると、「その時間には行けないので、18時以降なら行けます。」といった返事になることがありました。

ウェブ集荷受付サービスでは、こういった交渉は無く、お店側が時間を指定したら、ドライバーはその時間に行かないとクレームになるので、面倒だったのかもしれません。

お店への集荷については、いちいち電話やネットを利用しなくても、毎日決まった時間帯に集荷にきてもらうことができました。

しかし、こういった決め事をすると、なぜかS急便のドライバーの方が権力を持ってしまって、あれこれ命令してくる一面があったので利用したくありませんでした。 

いずれにしても、使いやすいサービスがあるのに、自分たちの都合で使うなと言ってくるというのは顧客主義ではなく、お店側があれこれ指図されるのは気分のいいものではありませんでした。

 

S急便のドライバーと決定的な決別となったあのとき

ある日、S急便のドライバーが集荷に来たとき、予定より早くこられたので荷物を出すのに少し手間取ったときがありました。

その間に、配達ドライバーが携帯電話で誰かと話をし始めました。話の内容を聞いている限り、同僚らしい人と話をしていました。

へらへら笑って「お前それじゃダメだよ」とか玄関先で大声で話をしていたのです。

5分程度で準備が整ったので、私は荷物を渡したかったのですが、彼の片手が携帯でふさがれているので渡せないのです。

電話を切るまで待っていろと言わんばかりのそぶりで、私に背を向けて時折ちらっとこちらに向くものの、荷物を受取る仕草はみせませんでした。

忙しい中で待たされたという、私に対する当てつけのような気持ちがあったのかもしれません。

玄関先で客は荷物を抱えているのに、S急便のドライバーは客を横目に同僚と楽しそうに電話していました。この微妙な雰囲気を分かってもらえるでしょうか。

この状況にガッカリした私は、荷物を渡すのを諦めて、扉をゆっくり閉めました(笑)

その後、携帯での会話が終わったのか、ドライバーが何度も呼び鈴を鳴らしましたが、私は一切応答しませんでした。

その日から、S急便に出す荷物は支店へ直接持っていくことになりました。片道約15kmの道のりです。時間にして片道30~40分かかります。夕方の渋滞に捕まると、1時間以上かかることもありました。

S急便に変えてから営業所止めを希望するお客さんが増え始めた事態を上でお話しましたが、まさに私自身も同様になったのです。

 

ネット通販大手アマゾンもS急便をやめた?

長らくS急便で発送していたアマゾンが、ヤマト運輸に切り替えたことがありました。

アマゾンはネット通販大手ですから、業界ではこの会社がどこの配送会社を使うかは常に話題になっていました。

宅配大手三社でしのぎを削るような受注合戦が繰り広げられていたようですが、その時々で勢いのある会社が採用される傾向があったようです。(※追記:現在は大手宅配会社だけに頼らないアマゾン独自の配送システムが整ってきています。)

ニュースでは、S急便がアマゾンから要求される格安送料や送料値引きに耐えられなくなって、アマゾンとの契約を諦めたような内容になっていました。

アマゾンからのコメントが出ていなかったので実際はどうだったのか分かりませんが、アマゾンでもS急便に関連したクレームの数々に辟易して(コスト高にもなるので)、S急便との契約をやめたのではないか?・・・・単なる私の想像ですが。

 

S急便をやめても別に困らなかった

現在、S急便をやめて、郵便局とヤマト運輸を利用しています。

送料の安いS急便の扱いをやめたら、注文が減るだろうとずっと思っていました。

徐々に入れ替えを行ったこともあると思いますが、自分が考えていたほどの影響はなかったです。

注文が減ると「送料が上がったせいかな?」と思うこともありますが、それをカバーできるように他に力を入れるようにしています。

配送に関するクレームは、はっきり言ってゼロです!電話が全然鳴りません!メールでのクレームもありません!

日々、配送に関するトラブルの処理に追われ、お客さんからのクレームを受けていた日々が信じられません。

配達のクレームでダメージが大きすぎて、気力を取り戻すのに時間がかかると思いますが、とりあえず今まで悩んでいたのが嘘のように仕事に集中できることは確かです。

S急便さようなら。今までありがとう^^f

 

 

※宅配業界は常に進化しており、状況はその時々で変わると思います。こちらではネットショップ体験談の一つとして掲載しておりますのでご了承ください(2015年4月)。

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