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個人運営のネットショップに業務停止命令

家電卸・格安販売の「家電のBigOnion」というお店が、特定商取引法違反で3カ月の業務停止命令を受けました。ホームページに掲載されていた名前は偽名で電話もつながらい、返金は遅れるなど数々の問題がネットでは指摘されていたようですが、やっと行政が動いたようです。

 

“格安”をうたう家電通販サイトが実在しない人物の名前を責任者として表示していた上、注文をキャンセルした客への返金が大幅に遅れるケースが多発しているとして、消費者庁は3月28日、通販サイト「家電のBigOnion」を運営する個人(横浜市西区)に対し、特定商取引法違反で3カ月の業務停止命令を出した。~2018年03月28日 ITmedia ビジネスオンライン ~

 

 

自転車操業なのか、確信犯なのか

 

このお店は「格安」で家電を売っていたようですが、その安さにつられてしまった人がたくさんいたようです。今現在のホームページを見る限りではそれほど安くはないように感じますが、家電卸と自称しているように一時期は安いお店だったのかもしれません。

 

お店のホームページは、今どきのショップとしては極端に雑な作りで、格安とはいえどうしてこんな怪しいお店で買うの?というレベルです。雑な作りなゆえに、余計なところにお金をかけていないで安売りをしているとお客さんが勘違いしてしまったのでしょうか。

 

お客さんから注文が来たら仕入れるタイプのお店のようですが、商品の発送が遅れたりして問題があったようです。

 

 

近年、注文を受けてからアマゾンや楽天市場などの家電量販店から一番安い商品を見つけて、いかにも仕入れたかのように商売をしているお店や個人が結構います。確実な仕入れ先がないため、家電量販店などで品切れになっていたり、値段が上がってしまうと買い付けられないことなってしまいます。

 

仕入れに関するページで、卸から買うよりネットで買った方が安いことがあるとお話ししましたが、そういった仕組みを利用して販売をする人たちがいるのです。家電量販店などもそれを警戒していて、注文できる個数を制限したり、大量注文や注文主と発送先が異なる注文を断るなどして対応しています。

 

このお店ではどこから仕入れていたのか分かりませんので憶測の範疇ですが、商品の発送が遅れるときはキャンセルを受付けて、返金に応じるとしていました。

 

しかし、返金が大幅に遅れることが頻繁にあり、自転車操業で資金が足りなかったのかもしれませんし、返金をわざと遅らせてお客さんが諦めるのを待って、返金をせずお金を懐に入れる手法だったのかもしれません。

 

 

数年前からトラブルがあり、ネットで検索すると被害者の声がたくさん出てきます。ここまで被害者がいるのに、よく運営できていたなと思います。

 

まったく商品を発送していないかったわけではなく、返金もしつこく言い続ければ何か月後かに返してくれるケースもあったようなので、完全な詐欺と言い難く、こういった手法が業務停止命令を遅れさせる理由になっていたのかもしれません。

 

このお店は、消費者庁から業務停止処分を受けているのに、ホームページではそのことを隠し、「卸販売契約社のみ注文を受けていて消費者からの注文は受けていない」といった表示に切り替えて注文受付を一時ストップしていました。良識のある会社やお店では、こんなことはしないでしょうから、こうなると確信犯的なお店なのかもしれません。

 

 

 

前払いは対等な立場の取引にならない

 

前出の通り、行政に訴えても実際に動いてくれるまで数年かかることがあります。警察も被害が増えて、問題が大きくなってからでないと相手にしてくれないことがあります。法に訴えても弁護士の報酬などが必要で、結局は費用がかさむばかりで損失が増すでしょう。

 

まず、卸販売も含めて、こういった格安というお店でのトラブルの元は、銀行振込で前払いすることから始まることが多々あります。

 

前払いしてしまった時、そのお金を取り返すのは簡単ではありません。悪質な売り手はお金をもらったらこっちのものという感覚で、買い手は商品が送られてこなかったり、お金が戻ってこないことを心配して下手に出るしかなくなります。

 

行政も警察も助けてくれないし、法的な手続きを踏めば余計なお金ががかかってしまう。感情に任せて怒ったとしたら、逆に脅迫で訴えると言われるかもしれません。ここでお手上げになってしまう人もいるでしょう。

 

商いは信用問題が大事とは言いますが、その信用を悪用して儲けている人たちもいます。そこで、どのタイミングで相手にお金を渡すのかはとても大切です。

 

 

お店としては安く商品を提供するために、手数料のかかるクレジットカード決済やコンビニ決済を用意していないと都合よく言います。ところが、実際にはお店の信用が低く、クレジットカード決済会社の審査に通らなくて導入できないということがあると思います。

 

前出のお店は、運営責任者の名前は偽名で、電話もつながらないといった状態ですから、審査に通るのは到底不可能でしょう。

 

 

このお店では卸販売も行っていたようですが、お店が卸から購入する際には、何十万円から何百万円といった大きな金額になってきます。支払った後に商品が手元に届かないことになったら、自分のお店を潰すことになるかもしれません。

 

安さにつられてリスクを忘れてしまうことがあるかもしれませんが、どんなに魅力的なオファーや価格でも、現金や銀行振込での前払いは避けた方が無難です。

 

近年は、卸販売でもクレジットカード決済が使えたり、PAIDのようなBtoB後払い決済サービスがあります。

 

卸会社だから商品もたくさんあってお金もあると思いがちですが、必ずしもそうとは限りません。自転車操業のようなところもあり、急につぶれることがあります。無理に前払いや手付金等を要求されたら、このお店や会社は現金不足で危険だと思った方がよいでしょう。

 

 

 

特定商取引法違反には気をつける

 

特定商取引法違反に関しては、守っていないお店も実際には多いのが現実でしょう。

 

お店の住所は架空であったり、番地や部屋番号などを伏せているお店も結構見受けられます。偽名や運営責任者の名前を出していないお店もあるでしょう。電話番号は使われていない番号だったり、HPに掲載していない、または、一切電話には出ないというお店もあるようです。

 

家電のBigOnionでは、特定商取引法として掲載していた運営者は偽名だったそうです。せっかく名前を隠していたのに、消費者庁から出された業務停止命令では本名が掲載されていました。

 

消費者庁:特定商取引法違反の通信販売業者に対する業務停止命令(3か月)及び指示について

 

 

特定商取引法の記載は、普通に運営していれば、お客さんはそれほど気にしないかもしれません。

 

人に知られたくない、名前を掲載するのが恥ずかしいからといって偽名を使ったり名前を出さないでいたとき、何か問題が起こった時、お客さんには元々悪意のあるお店だったのかと叩かれてしまうかもしれません。

 

このように特定商取引法違反でネットショップが業務停止命令を受けることがあることを知れば、ネットで商売をする以上、ルールは守った方がよいと判断した方が賢明でしょう。

 

 

 

今回のニュースは、大手の法人だけではなく、個人運営のネットショップでも運営方法や特定商取引法違反で業務停止処分を受けることがあるということを知るよい機会だったかもしれません。

 

違反をするお店が増えれば、さらに法律が増えて、お店を運営する側は締め付けられるようになると思います。元々、特定商取引法ができたのは、訪問販売等で販売側と消費者で紛争が頻発したことから始まっているそうです。

 

ネットショップオーナーとしては、今回のニュースを他人事とは思わず、法の下で運営していることをしっかり認識していきたいものだと思います。

 

また、仕入れについても、前払いには気をつけることを心掛けて欲しいと思います。困ったときに助けを求めても、行政や警察はなかなか動いてはくれません。

 

自分のお店は自分で守るという高い意識の元、単に価格につられて相手側の言われるままに不利な形態で取引をしないように気をつけてください。

 

 


公開:2018年3月30日 / 更新:2018年4月8日 / カテゴリ:時事ネタ