近年、大雪や集中豪雨など悪天候のため、各地で交通が遮断されるなど物流に大きな影響を及ぼしています。
ネット通販では物流がとても大切になりますので、大雪、台風、集中豪雨などのニュースに注意して、この天気で配送は大丈夫なのか?といったことを考えながら仕事をしたほうがよいでしょう。
物流も大ダメージ、コンビニ品薄で食も直撃 運送業界も混乱 (産経ニュース2014.2.16より)
降り積もった雪による交通網の寸断で物流が大きな打撃を受け、一部のコンビニエンスストアなどでは弁当などの商品が届かないなどの影響が16日も続いた。(中略)
運送業界も混乱した。東京都内にある佐川急便の支店には、14日夜に関西地方を出発したトラックが16日昼になっても到着していない。担当者によると「トラックが来ないので折り返しで名古屋や大阪に配送する見込みは立っていない」という。
宅配業界では、多くの地域で注文の翌日配達が可能になっていることから、お客さんの方でも「今日注文しておけば、明日には届くね」と思っている方が多くなっています。
ところが、一旦、天候が悪くなったり、高速道路で事故渋滞などが発生するとその予定は簡単に崩れてしまいます。
ヤマト運輸や佐川急便は列車なども多用していていますが、天候が悪すぎると貨物列車も運行できなくなります。郵便局のように空輸が多いところでは、天候に左右されやすく簡単に遅れが出てしまう地域がでます。
荷物の到着が遅れる場合、多くのお客さんはもう一日待ってみようと思ってくれるようですが、気の短いお客さんからクレームの電話やメールがくることもあります。
ここで知っておきたいことは、事前に伝えてあるのとそうでない場合ではクレームの醜さの度合いが違うということです。
商品受注や発送の時、ほとんどのショップさんでは、お客さんにご案内のメールを送ります。
その際に、「各地で大雪警報が出ておりますので、お荷物の到着が予定より1~3日ほど遅れる場合がございますのでご了承ください」とメールなどでしっかり伝えているか否かで、お客さんの反応が大きく異なることがあります。
メールでご案内する際には、メールの一番下にちょっと記述した程度では伝わりません。
遅れが出る可能性大であれば、メールの一番上で告知するくらいでないとお客さんには伝わりません。
機械的に自動返信メールのような定型文を使って「本日、ご注文商品を発送しました。明日にはお届けできる予定です」なんてメールを送っていると、「明日届くって言ったのにまだこないよっ!」といったクレームにつながる可能性が大きいです。
お客さんとしては、状況が分かれば納得してくれることが多いですし、予めお伝えしておけば、「遅れる可能性があるんだ」と心に余裕を持ってもらえると思います。
これが、訳も分からず到着が遅れると・・・
・荷物が別の家に間違って配送されたのではないか?
・不在だったので荷物が返送されてしまったのかもしれない?
・実は商品は発送されていなくて詐欺にあったのか!
・・・イライラの妄想は膨らみます(笑)
それがどこかで弾けて、怒りのクレームになってしまう可能性があります。
特定の地域だけ天候が悪く、自分のところは快晴というお客さんにとっては、なぜ荷物が来ないのか?といったことが理解いただけないことがあります。
たとえば、関西から東北に向かった荷物があったとして、関西や東北では天気は悪くないのに関東だけ集中豪雨で交通が麻痺してしまっているということがあります。東北に向かう荷物は関東を経由しますので、そこで大きく遅れが出てしまっていることには気がつきにくいのです。
物流の多くは夜行便で各地へ向かいます。集められた荷物は、夜に各地の配送センターを出発して、朝にはお客さん宅最寄の配送センターに到着する流れになります。
夜に長距離を移動するため、その時間帯に天気が大きく崩れたりして配送が遅れると、次の日が快晴でも荷物が届かないということになります。お客さんとしては、悪天候での遅れを全く判断できない状況になります。
物流トラックは行きに荷物を積んで、帰りにも荷物を積んで戻ってきます。このため、行きのトラックが悪天候などで遅れると、戻りに積んでいく荷物も当然ながら遅れてしまいます。これによって、遅れの遅れが発生してしまいます。
このように、物流は複雑でどこでどうなっているのか、お店側が把握できるものではありません。現状、送り状番号で荷物がどこにあるか確認できるといっても、よほど大きな悪天候や事故事案が無い限り、どこでどんな遅延が生じているのか細かいことまでデータとしてあがってきません。
宅配会社に連絡しても、細かいことまでわからないことは珍しくありません。何日も配送されないなど遅れが生じていれば調査をしますが、1日程度の遅れではいちいち調べてくれないことがあります。
「配送センターには届いていますので本日~明日までにお届けします」などと適当に言われても、具体的に遅れている理由が分からない、本当に今日明日に届くのかと、荷物を待ちわびているお客さんがブチっと切れることがあります。
そして、お客さんからは「荷物が来ない!宅配会社に連絡したが正確な情報が得られない。どうなっているんだ!」とクレームがくることがあります。正直、宅配会社で分からないならお店に言われても分からないんですが・・・。
こういったトラブルを避けるため、お店としてできるのは、遅れる可能性があることを予めお伝えすることです。
私のお店では、お客さんから「明日までに届きますか?」とよく質問をいただきますが、当日出荷ができて、宅配便の配送日数表を確認して翌日配達地域であれば、「原則、明日のお届けは可能です」とお答えしています。
ただし、悪天候や渋滞などがあると遅れる可能性がありますので100%確実ではありませんということは必ずお伝えしています。
天気予報で大雪や台風接近などのニュースがあれば、正直に、予定通りにお届けできない可能性が高いことをしっかり伝えます。
余計なことを言うと注文がキャンセルになるのではないかと心配するショップオーナーさんもいて、ネガティブな情報を出したがらないお店があります。何かトラブルが発生したら、そのときに対処する型の運営方針です。
私のお店では、必要なときまで届かなければにお客さんに迷惑をかけてしまうので、情報をお伝えした上で、それでもお客さんが注文をしてくださるのであれば、お店としてはできる限り早く発送するようにします。
しっかり伝えることで注文を逃してしまうケースもあるかもしれませんが、遅れが生じればクレームにつながります。予定通りに届かなかったら必要ないといって受取拒否されてしまったりすると、結局、面倒なトラブルになります。
余計なトラブルが発生しないように、常に遅れる可能性があることは予めしっかり伝えておいた方が、ショップオーナーさんにとっては肩の荷が下りますし、お客さんは予め心の準備ができて予定が立てやすいと思います。
お店としては最短で送る、または、お客さんの要望にできる限り応えて早くお届けできるように心がけることは当然なんですが、物流は100%確実ではありません。
自分たちは急いで出荷しているので、遅配が生じたとしてもお店の責任ではないと思いたいですが、結局は「あの店に注文したら、荷物の到着が遅かった」とお店の責任にされてしまうことが珍しくありません。
お客さんの要望通り、急いで出荷したと自己満足しても、お客さんが最終的に満足してくれないのでは意味がありません。
天気予報のチェックなどで、お客さんへ適切な情報を提供できることもある場合がありますので、ちょっとした手間を惜しまないでお客さんへ連絡をしてあげてください。