ネットショップを運営するにあたって、お店用に銀行口座を一つ用意しましょう。
ネットショップの決済会社などから振込んでもらうには、個人用の普通銀行口座があれば問題はありませんが、商売としてやるからには、個人とお店で口座は分けた方がよいでしょう。
お客さんから直接振込んでもらう場合は、個人名義の銀行口座はちょっと敬遠されてしまうと思いますので、ビジネス口座があった方が便利です。
ネットショップ用にビジネス口座を開設しましょう
ネットショップではネット銀行と呼ばれる、楽天銀行やPayPay銀行のビジネス口座があると便利です。
これらの銀行はネットでは特に人気が高く、振込手数料が無料や格安であるため、ネット通販をよく利用されているお客さんにとって利便性の高い銀行です。
ネットショップを運営している人には嬉しい、個人事業主としてビジネス口座を開くこともできます。
大手銀行や地方銀行などでは、これからお店を始めるという場合、屋号付きの銀行口座を開設させてもらえないことがあります。
銀行を介した詐欺などの犯罪がたくさん発生していて、審査が厳しくなっているというお話も聞きます。せっかく新しいお店を始めようというのに、銀行窓口までいって門前払いでは悲しいですね。
ネット銀行でも審査はありますので、必ず口座が開設できるとはいえませんが、開設に必要な書類等は明記されていますし、多くの個人ネットショップオーナーさんが利用していることを考えるとそれほど難しいことではないと思います。
ビジネス口座があると、個人用と事業用の銀行口座を分けて使えるので、お金の管理もしやすいです。また、個人事業主口座では、屋号(お店の名前等)を使えるので、商売として使い勝手がよいです。
屋号があるだけでも、お客さんに振込先を連絡する際に、「個人がやっている怪しいお店」というような印象を持たれることは少なくなると思います。
個人口座は怪しい?
「お客さんに振込を依頼したけど入金してもらえないことが多い」と困っていたショップオーナーさんがいました。何が問題なのだろうと話を聞いてみたところ、自分の個人口座に振込むようにお客さんに連絡していました。
あなたがお客さんで注文したとき、振込先が「ヤマダ イチロウ」というのと、「フラワーショップ ヤマダ」というのでは、どちらが安心して振込めるでしょうか?
小額であれば気にしないお客さんもいるかもしれませんが、店主の個人口座に振込んでもらう方法は、お客さんが警戒してしまう可能性が高いでしょう。
個人口座だとお金を払ったら逃げられるみたいな警戒感があります。個人とお店のお金を混ぜてしまっていると思われると信頼度が落ちますし、入金ミスに繋がる可能性も考えられてしまいます。
屋号があるからお客さんが100%安心してくれるというわけではありませんが、それなりにちゃんと商売をやっている印象を持ってもらえる可能性はあると思います。
エスクローサービスならビジネス口座はなくても大丈夫?
ネットショップの決済環境で、エスクローサービス(エスクロー決済)が増えてきています。
エスクローサービスは、決済会社がコンビニ振込や銀行振込を一括して扱って、お客さんからの入金処理を代行してくれるものです。Yahoo!かんたん決済やBASEのかんたん決済がその一例です。
エスクローサービスでは、決済会社がお店とお客さんの間に入り、支払いの仲介を行ってくれます。
この決済方法では、注文商品がお客さんに渡ったこと(または商品が発送されたこと)を確認してから、お店側がシステムから代金を引き出せるようになっています。
お客さんがお金を払ったけれど商品が発送されないときは、お客さんが支払ったお金は決済会社からお客さんに返金される仕組みです。こういったセイフティがあるので、お客さんは安心してエスクローサービスで支払うことができます。
エスクローサービスを採用しているネットショップでは、ビジネス口座は必ずしも必要ないです。決済会社が代行して集金した後は、ショップオーナー本人の個人口座へ入金してもらえます。
エスクローサービスの銀行振込では、お客さんは振込手数料を負担して、お店側は決済手数料を負担することになります。
お店の銀行口座に直接振り込んでもらえれば、決済手数料はかからず売上が丸々入ることを考えると、エスクローサービスは便利な半面、コストもかかります。
BASEのように売上から手数料を徴収しているショッピングカートでは、エスクローサービス決済が必須となります。
お客さんからお店の銀行口座に直接振り込んでもらいたい場合は、カラーミーショップなど月額固定費で運営できるショッピングカートが必要になります。
個人ビジネス口座開設に必要なもの
個人ビジネス口座を開く際には、普通の銀行口座を開くのとは違った注意事項があります。
楽天銀行の場合は、個人事業開業届書や個人事業開始申告書のコピーが必要です。
個人事業の開業届出を提出しましょうのページでお話しましたが、個人事業開業届書といった書類はお店を始めるときに税務署に提出するものです。
銀行口座の開設の際に使うケースがあるので、個人事業開業届書などは提出時に控えをもらっておいて大切に保管しておきましょう。
PayPay(旧ジャパンネット)銀行の場合は、営業しているホームページが必要です。ホームページの内容を判断して、ビジネス口座開設の審査をします。まだお店のホームページが出来ていない、または、ホームページが作成途中のような場合は、受付けてもらえないようなので、まずはネットショップを作りましょう。
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更新情報:2021年4月28日よりPayPay銀行では、一般の個人口座と同様に、免許証などの本人確認資料と顔写真で口座開設ができるようになったようです。
必要事項や書類については変更になる場合がありますので、各社のホームページで確認してください。
楽天銀行とPayPay銀行では、いずれも口座維持手数料は無料です(執筆時)。
ネット銀行は銀行窓口がありませんが、入出金はセブンイレブン・ローソン・郵便局などのATMが利用できます。
事業用のビジネス口座はまだ必要ないと思われる際は、個人用の口座を開いておいて、操作に慣れてみるのもよいでしょう。楽天銀行の場合は、個人ビジネス口座を開く前に個人口座が必要になります。
ネットショップにおすすめのネット銀行
★★★PayPay銀行:ビジネス(営業性個人)口座の開設ができます。お客さんだけでなく法人が使っているケースも多く、ネットショップの提携先会社からの振込手数料が抑えらるなど利便性があります。PayPay銀行の口座宛では振込手数料が52円と割安です。
★★★楽天銀行:個人ビジネス口座が開設できます。日本最大級のインターネット銀行で、お客さんにとっては同じ楽天銀行であれば、何回でも振込手数料が無料という利便性が高いネット銀行です。個人ビジネス口座のWEB申込は、個人口座にログインしてから行うため、楽天銀行に口座をお持ちでないときはまずは個人口座から開設してください。
資産管理アプリを使ってお金の流れをしっかり把握する
銀行口座やクレジットカードなどが増えてくるとそれぞれの口座にログインして残高を確認したりするのが面倒になります。
そんなときに便利なのが、無料で利用できる資産管理システムです。自分の銀行口座やクレジットカードを登録すると最新の情報を自動更新してくれます。
freee会計のようなソフトで、資金管理と会計処理をしっかり行う方法もおススメです。
★★★マネーフォワード:全自動の家計簿アプリ。銀行、証券会社、クレジットカード会社、マイル、ポイントなど約200社近くに対応しており、複数口座の残高や支出の情報を自動で取込み一括で管理が可能。
★★★Money Look(マネールック):銀行、証券会社、クレジットカード会社、マイル、ポイントなどの情報をまとめて管理できるオンラインサービス。金融情報サービスでおなじみモーニングスターの100%子会社が運営。
※口座開設の審査や条件は変更になる場合があります。詳細は、各銀行のホームページにて確認をお願いいたします。