小さなネットショップを運営する場合は、電話回線が1本あれば十分かもしれませんが、複数回線利用することで業務が楽になることがあります。
小さなネットショップが電話に出られない理由のページで、小さなネットショップが電話で翻弄されてしまう様子をお話しましたが、少し工夫するとそれを避けられるかもしれません。
ネットショップといえば、ウェブやネットなどにサービスが特化したものではありますが、昔からある電話の利用も意外に多いものです。その点も考慮に入れて、電話の利用方法も考えてみてください。
電話番号を二つ用意する
ネットショップを運営する際には、電話は2回線あると便利だと思います。
一昔前は、電話とファックスという2回線使っているお店が多かったと思います。
私のお店もそうでしたが、今ではファックスの利用はほとんど無くなって、一つはホームページなどに公開している電話番号、もう一つは配達専用の電話番号として利用しています。
公開している電話番号は、本来は、お客さん用になります。
「本来」というところが肝心で、実際には営業電話の方が多いです。何のために電話番号を公開しているのか分かりません。
営業電話はお断わりします!とホームページに記載していても平気で掛けてきます。
断られても営業するというのは、昔からの営業方法ですが、その他にホームページから自動的に電話番号を拾ってデータ化されていて、色々な業者に転売されていると思います。
このため、忙しいときは留守電対応や応答メッセージ専用にして電話に出ない(出られない)ことがあります。
配達専用の電話番号は、配達伝票だけに記入する電話番号です。ホームページなどには公開していません。
個人的には、この配達専用の電話番号が重要だと思っています。
配達できない、住所が間違っているなどの場合、宅配会社から連絡がくることがあります。この配達に関する電話連絡を見逃してしまうと配達が完了しないことがあります。
時々あるケースですが、お客さんが住所入力の際にアパートの部屋番号を忘れてしまうようなことがあります。
宅配の配達員さんがお届け先に行ったら、「配達伝票には部屋番号の記載が無く、また、アパート側には表札がないのでどの部屋のお客さんか分からない。お客さんの携帯電話に連絡しているけど通じない。」といった電話連絡がお店にくることがあります。
お店の方がお客さんとは連絡しやすいですから、すぐにメールでお客さんに住所確認をしてもらうことになります。正確な住所が分れば、難なく配達完了という具合になります。
せっかく注文していただいて、商品を出荷したのに、最後に届けられないのでは損失になってしまいます。そこで、配送に関する電話を見逃さない対策が大切になります。
配達専用だけではなく、宅配業者を含めて提携会社専用にしても良いかもしれません。要は色々と不必要な連絡がかかってくる公開用の電話番号と使い分けるというところがポイントです。
応答メッセージ専用にしてしまう
複数回線を使っている場合、公開している電話番号について、迷惑な電話が多いときには応答メッセージ専用にしてしまうことが可能です。
応答メッセージ専用はかかってきた電話に対してメッセージを伝えるだけになります。
ショップ名を伝えて、「お問合せはホームページまたはメールをご利用ください」といった自作のメッセージを流して電話は自動で切れてしまいます。留守電のメッセージは録音できません。
電話機によって応答メッセージ専用機能が無い場合があります。その際には、留守録のデータを一杯にしてしまうとメッセージが残せなくなるので、応答専用になると思います。
自宅の電話や携帯電話でも、留守録メッセージを残されると面倒だと思っている人は、わざと留守録のメッセージを一杯にしておくことがあるでしょう。
電話したら応答メッセージだったというお店は、怪しいと思われてしまう可能性がありますので、利用するか否かの判断は難しいところです。
初めからやるのではなく、ある程度固定客がついて、忙しくて電話に出るのが大変になってからやった方がいいかもしれません。
電話番号をホームページに公開しているのに電話に出ないとは何事か!と怒るお客さんもいますので、電話での応対をしないのであれば、ホームページで公開している電話番号の記載欄近くにそのことを明記するのを忘れないようにしてください。
最近は、電話番号を掲載しないネットショップが増えていますが、クレジットカード決済など他社のサービスを導入したり、ショッピングモールなどに出店する場合は必須です。
メールアドレスでは、ネットに公開すると営業を含めた迷惑メールがたくさん送られてくるようになります。電話番号も同様で、営業の電話やいたずらなどの電話がかかってくることがあります。
電話番号を使い分ける対応をしないとすべて1本の電話にかかってきて、電話対応で時間がなくなってしまうお店もあると思います。そして、大切な電話を見逃してしまう可能性も高くなるかもしれません。
複数の電話回線を持つのにそれほどコストはかからない
複数回線があったら月々の維持費が大変と思われるかもしれません。
NTTの光インターネット回線を導入している場合、ひかり電話も併用しているケースも多いでしょう(私のお店もこのタイプです)。
ひかり電話は、1回線の基本料は月額500円で、追加番号が1つ100円で設定できます。1契約で最大5本(基本回線+追加4回線)を設定することができます。(*金額は税別)
コミュファ光では、追加番号サービス「プラスナンバー」というサービスがあって、月額100円で2つの電話番号を利用できます。
これらは1回線を使っていると別回線が使えませんが(片方で電話を使っているともう一方は通話中のようになる)、電話で受注しているような場合を除いてはそれほど問題ないと思います。
スタッフが複数いて異なる電話回線を同時で使いたい場合は、料金が多少上がりますが、複数チャンネル(ひかり電話)やプラスチャネル(コミュファ光)を追加すれば利用可能になります。
050で始まるIP電話を追加する
携帯電話(スマホ)のアプリを使って電話番号を増やす方法があります。
一般の電話であれば電話番号を追加する際、新たに電話機も必要になることがあります。スマホならアプリを追加するだけで利用できます。
スマホ系のアプリで050電話番号を追加するサービスは色々ありますが、SMARTalk、050plus、ララコールなどがよく知られていると思います。
090や080では携帯電話の番号と分かってしましますが、050から始まる番号であればネットショップで使っても違和感がないと思います。
電話番号の使い分けが心の負担を軽くしてくれる
お店が多くの人に知られるようになってくると、それに合わせるように電話がかかってくる頻度も多くなります。
注文したお客さん、これから注文を検討しているお客さん、宅配会社、提携会社、営業をかけてくるうざい電話など、電話番号がひとつでは色々な電話が混じってくるので、電話を受けるお店側では心の準備ができないで、ハラハラドキドキしてしまうことがあるでしょう。
勧誘や営業電話が多くなってくると、電話に出るのが本当に面倒になります。しかし、そんな中で、「また営業か」と電話に出るのを止めてしまったとき、それがクレジットカード決済会社からの緊急連絡ということがあるかもしれません。
決済会社からの緊急連絡というのは、カードが不正利用された注文があるので商品の発送を直ちに止めてください!といったような内容です。メールでも緊急事態を教えてくれますが、メールを確認するタイミングで手遅れになってしまうことがあります。
こういった緊急の電話に出ないことで、カードの不正利用を知らずに大きな損失になってしまう可能性もあります。
また、購入したお客さんからの電話で、たとえば、不良品ではないかと不安になってお問合せをしようとしているときに、電話に出てくれないお店というのは批判の対象になってしまいます。
お客さんとしては、最初は穏やかに質問するつもりだったのが、何度電話しても出てくれないので、そのうちに激怒りのクレームに変わってしまうこともあります。
電話番号を使い分けることで、大切な電話を逃さない、営業電話をできるだけ避けることが可能になります。
さらに、番号別にどういった内容の電話がくるのか大体分かってくるので、電話が鳴るたびに「何の電話だろう?」とビクビクするようなことも減って、心の負担を大きく減らしてくれることもあると思います。
追加の電話番号で使えるサービス:
ひかり電話:月額500円(税別)。追加番号1つにつき100円(税別)。
SMARTalk:050-で始まる電話番号が持てます。初期費用と月額基本料が無料で、電話をかけたときだけ手数料がかかります。
050plus:月額300円(税別)。050-で始まる電話番号が持てます。
docomoマルチナンバー:月額500円(税別)。現在使っている契約番号に加えて、最大2つの付加番号をプラスできます。お客さん向けには携帯番号の利用は避けた方が良いでしょう。